第1章
旧校舎のディアボロス
第3話 俺、人間やめました!
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「へぇ、私のことをよく知っているわね? あなた、何者なのかしら?」
グレモリー先輩は興味深そうな眼差しで俺を見る。
「まぁ、いまは置いておきましょうか。ここで何があったのか、詳しく話せるかしら?」
「・・・・・・そこに倒れてるイッセー──兵藤一誠が堕天使に殺されました。理由はイッセーに自分たちを脅かす可能性がある神器を宿していると判断したからです」
「そう、やはりこの子には神器が宿っていたのね」
グレモリー先輩は確証を得たかのように頷く。
「──知っていたんですか? イッセーに神器が宿っていたことを」
「確証はなかったけど、一応目はつけておいたのよ。堕天使がこの子に接触したあたりからその可能性があるとは思っていたわ」
堕天使のことにも気づいていたみたいだな。
だったらッ! ──と、感情的になりかけるが頭を冷やす。
「──ゴメンなさいね。堕天使のことは監視していたのだけど・・・・・・私たち悪魔と堕天使の関係のことも一応は理解してちょうだい」
悪魔、堕天使、そして天使は過去に大きな戦争を起こした。互いに疲弊し、いまは停戦状態だ──が、ほんのちょっとの問題で戦争を再開しかねない状態だという。
そのことを考えれば、たかだか一個人、しかも他人のことで不用意に堕天使と関わるべきではないことは理解できる。
「でも、あなたからしてみれば・・・・・・納得はできないでしょうね」
・・・・・・ええ。できたら、堕天使の行動を阻止してほしかったですよ。
グレモリー先輩はイッセーのもとまで歩み寄ると、ウンと頷く。
「どうせ死ぬなら、私が拾ってあげるわ」
その言葉に俺は驚く。
「意味はわかるでしょう?」
「ええ・・・・・・願ってもないことです」
グレモリー先輩にはイッセーを生き返らせることができる手段があった。
上級悪魔には眷属と呼ばれる下僕悪魔が存在する。その下僕悪魔のほとんどが他種族から悪魔へと転生した者ばかりである。そして、他種族を悪魔へと転生させることができる道具が『悪魔の駒』と呼ばれるものだ。
『悪魔の駒』には、死んだ者でさえも悪魔へと転生させることができる。つまり、イッセーを悪魔として生き返らせるということだ。
もともと頼むつもりではあったが──。
「──でも、なぜ?」
『悪魔の駒』には限りがある。そして、眷属悪魔は主のステータスにもなる。だから、下僕選びには慎重になってしまうものだ。
頼んだとしても、断られるだろうと思っていたのだが──。
「勘違いしないで。堕天使が危惧するような|神器《セイク
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