第1章
旧校舎のディアボロス
第3話 俺、人間やめました!
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、どういうわけか体から力が溢れてくるみたいな感じがする。
『やだやだ! 買って買って!?』
『そんなにわがまま言うと、置いてっちゃうわよ』
『やぁぁだぁぁぁっ!?』
「っ!?」
俺の耳に駄々をこねる子供と子供を叱る母親の会話が聞こえてきた。
「な、なんで、あんな遠くの声が聞こえてくるんだ!?」
親子がいるのは、ここから五十メートルは離れているコンビニだった! 普通ならどんなに叫んだとしても、こんなにはっきり聞こえるわけがない!
俺はわけがわからなくなり、その場から駆け出す!
どうしちまったんだ!? 俺の体おかしすぎだろ!?
当てもなく走っていると、とある公園にたどり着いた。
「・・・・・・ここって・・・・・・夕麻ちゃんと最後に来た・・・・・・」
そうだ・・・・・・ここだよ。ここは・・・・・・夕麻ちゃんとのデートで最後に来た場所だ。そして・・・・・・彼女に殺された。
ぞくっ。
突然、背筋に冷たいものが走る!
「なんだ!?」
振り向くと、帽子をかぶり、スーツを着た男がこちらに歩み寄ってきていた。
「これは数奇なものだ。こんな地方の市街で貴様のような存在に会うのだものな」
な、なんだ! 体の震えが止まらねえ!
「フッ」
「ッ!?」
男に睨まれ、おもわず後ろに跳んだ俺は、その跳んだ距離に驚愕する。
ちょっと下がったつもりだったのに!
「逃げ腰か?」
男が問いかけてくるが、答える余裕なんてあるわけがなく、その場から急いで逃げだす!
その足の速さに再び驚愕する。明らかに速度が上がっているからだ。
普通なら混乱するところだが、いまはありがたい!
全力疾走で走っていると、周囲に黒い羽が舞い落ちてきた!
「羽!? 夕麻ちゃん!」
夢で見た夕麻ちゃんと同じ羽だったものだから、夕麻ちゃんかと一瞬思ったが、羽の持ち主は夕麻ちゃんと同じ翼を生やしたさっきの男だった。
男はあっさりと俺を追い抜き、俺の前に降り立つ。
「下級の存在はこれだから困る」
ま、また夢かよ!? これ!?
「フン、主の気配も仲間の気配もなし。消える素振りすら見せず、魔法陣すら展開しない。状況を分析すると、おまえは『はぐれ』か。ならば、殺しても問題あるまい」
そういう男の手には、夕麻ちゃんのと同じ光る槍のようなものが握られていた!
同じ夢なら、こんな男より美少女のほうが一億倍マシだぜ──て、こんなときまでなに考えてんだよ俺は!
「安心しろ。苦しむまもなく、殺してやろう」
男が夕麻ちゃんのように槍を振りかぶる。
夢のとおりなら、あの槍で俺は──。
「──死ね」
ドォンッ!
「ぐおぉっ!
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