第1章
旧校舎のディアボロス
第3話 俺、人間やめました!
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撃沈してしまった。
そんないつも通りの光景にハハハと笑っていると、俺の視界に紅が映る。
学園三年のリアス・グレモリー先輩が俺たちのそばを通り抜けていったのだ。
そのとき、リアス先輩が微笑みながらこちらのことを見ていた。
その瞬間、心まで掴み取られるような感覚に陥った。
そして、ふいに思い出した──リアス先輩らしきヒトが夢に出てきたことを。
―○●○―
それから、松田と元浜に「「これ以上、千秋ちゃんとイチャつかせるか!」」と無理矢理松田の家に連れてこられて、松田の秘蔵のエロDVDとやらを見ていた。
『へんしーん! 花弁ライダーピンキー!』
「おおぉッ! これはモモちゃんの新作、花弁ライダーピンキー!」
「フフン、入手にはちと苦労したがな」
二人がエロDVDに興奮しているのをよそに、俺はいまだに夕麻ちゃんのことを考えていた。
やっぱりおかしい。数日間の記憶が全部夢でしたなんて・・・・・・普通ありえるか?
仮にそうだとして、その間の記憶はどこ行っちまったんだ?
「おい、どうしたんだよ、イッセー」
考え込んでいると、松田が話しかけてきた。
「おまえ、桃園モモちゃんのファンだろう?」
桃園モモってのは、いま見ている特撮番組に出ているアイドルの名前だ。松田の言うとおり、俺は桃園モモちゃんのファンだ。彼女の音声でいろんなシュチュエーションで起こしてくれると言う革新的な目覚まし時計を持っているほどだ。
普段だったら、二人と同じようにテンションが上がっていただろうが・・・・・・ただ、いまは夕麻ちゃんのことで頭がいっぱいで、そんな気分になれなかった。
「そうだ! さらなるムーディーを演出するため、灯りを消そう!」
元浜はそう言い、立ち上がって部屋の電気のスイッチを押す。
「おおぉッ! いい感じ!」
「だろう!」
あれ? 部屋の灯り消えてなくね?
「なぁ、消えてねぇぞ」
「あん? なんだって?」
「部屋の灯り消えてねぇだろ?」
「はあ? おまえ、何言ってんだ?」
松田と元浜がおかしなものを見るような目で俺を見る。
よく見ると、確かに部屋の灯りは消えていた。──でも見える。灯りが点いていたときよりもはっきりと部屋の中が見えている!
「・・・・・・悪い・・・・・・俺、帰るわ」
「お、おい? 具合でも悪いのか?」
「・・・・・・ああ・・・・・・そんな感じだ・・・・・・」
松田の家から出て、帰り道を歩く。
「・・・・・・やっぱり・・・・・・昼間よりはっきり見える」
道中にあった路地を見ると、もう日が暮れてろくに見えないはずの路地の中がはっきりと見えた。
それに、松田の家から出てから
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