第1章
旧校舎のディアボロス
第3話 俺、人間やめました!
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女とデートをして、彼女に殺された──という夢を最近見たんだ。それからだ。夕麻ちゃんの痕跡がいっさいなくなっていたのは。ケータイにあった電話番号もメアドも消えていた。夕麻ちゃんと過ごしてきた時間が全部夢だったていうのかよ。
「なんの騒ぎだ?」
そこへ、明日夏と千秋がやってきた。
そういえば、夢の最後らへんに明日夏が出てきたな。
「な、なあ、二人とも! 二人とも、夕麻ちゃんのこと覚えてるか!」
俺は二人に詰め寄るが──。
「・・・・・・夕麻? 誰だ、それ?」
「・・・・・・誰のこと?」
二人から帰ってきた答えは松田と元浜のと同じようなものだった。
「おまえ、エロい妄想ばっかしておかしくなったんじゃね?」
「おまえと一緒にするな! 俺は確かに──」
「いいから、今日は俺ん家に寄れ。秘蔵のコレクションを皆で見ようじゃないか!」
「それはいい! 是非そうしよう!」
俺の言葉を遮って、二人はどんどん話を進めてしまう。
「・・・・・・おまえらな・・・・・・少しは場所を考えろよ」
明日夏が呆れたように言う。
「うるさい! 美少女を入れ食いしてるような奴には関係のないことだ!」
「・・・・・・そんなことした覚えも、やる気もねえよ」
「女子に人気がある時点で入れ食いしてるようなものだ!」
明日夏と松田と元浜のやり取りを見て苦笑していると、千秋に袖を引っ張られる。
「ん? どうした?」
「・・・・・・イッセー兄、大丈夫?」
・・・・・・千秋にまで、俺がおかしくなったって思われてんのかな? 真剣に心配そうにしていた。
「大丈夫だよ。変なこと訊いて悪かったな」
俺は千秋の頭をなでながら言う。
頭をなでられた千秋は安心したような表情になる。
千秋って、明日夏や冬夜さん、千春さんになでられるとちょっといやそうにするけど、なぜか俺になでられるのは好きなんだよな?
「おい、イッセー! なに千秋ちゃんとイチャついてんだ!」
「せっかく心配してやってるってのに! ふざけるな!」
松田と元浜が血の涙を流さんばかりに怒鳴ってきた。
「い、いや、別にイチャついてなんかいねぇよ!」
おもわず、千秋の頭から手を離してしまう。
千秋も顔を真っ赤にしちゃってるし!
「おまえら、少し落ち着けよ」
明日夏が二人を諌めようとするが、松田と元浜の熱は冷めない。
「そんなに千秋ちゃんとイチャつけるんなら、彼女がいる妄想なんてしなくていいだろうが!」
「まったくだ! 何が夕麻ちゃんだ!」
二人の怒りメーターがどんどん上っていく中──。
「──いい加減、やかましいんだよ」
明日夏のアイアンクローによって、二人は
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