第1章
旧校舎のディアボロス
第3話 俺、人間やめました!
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のときはあなたも来てちょうだい」
「わかりました」
「それじゃ」
グレモリー先輩は魔法陣による転移でこの場から去っていった。
「──さて」
俺はイッセーを担ぐ。
血塗れだったが、幸い時間も時間なので、人がいなくて助かった。
俺はそのままイッセーを担いで家に向かう。
「・・・・・・・・・・・・」
道中、俺はさっきから気になっていたことを確認することにした。
「・・・・・・おい・・・・・・どういうつもりだ?」
俺の問いかけに答える者はいない。
周りには誰もおらず、イッセーはいまも眠っている。なら、俺は誰に語りかけたか──それは俺の中にいる存在だ。
「・・・・・・・聞こえてるんだろう──ドレイク」
俺の内側から俺にだけ聞こえる声で話しかける存在がいた。
『なんだよ? おまえのほうから話しかけるなんてめずらしいじゃねぇか?』
神器──特定の人間に身に宿る規格外の力。イッセーが殺される原因になったものだ。その力は様々なものがあり、人間社会規模でしか機能しないものもあれば、あの堕天使が言ったように、種族規模に影響をおよぼす力を持ったものもある。
そして、俺にもこの神器が宿っている。堕天使との戦いで見せた緋色のオーラの正体がそれだ。
その神器の中には、特定の存在を封じられたものがある。俺のがまさにそれだ。
そう、いまの声の主こそ、俺の持つ神器に封じられている存在──名を『霊気の緋龍』ドレイク、異形の存在の代表格と言ってもいいドラゴンの一体だ。
「──で」
『んあ?』
「どういうつもりだって訊いてるんだ?」
『どういうつもりってのは?』
「とぼけるな! 俺の体を奪う絶好のチャンスだっただろうが!」
過去、俺が初めて神器を発現した際に、こいつ──ドレイクによって、俺は自身の肉体を奪われかけたことがあった。
どうにも、俺の神器は、所有者かドレイクの意思によって互いの意識を入れ替えることができるみたいで、それを利用されたんだ。
神器には、所有者が死ぬと別の所有者のもとに行く特性がある。聞いた話によると、俺の神器の過去の所有者はドレイクに体を奪われたそうだ。
俺もそうなりかけたんだが、幸いにも兄貴が介入してくれたおかげで、事なきを得た。
それ以来、俺はこいつを警戒して神器を使っていない。
・・・・・・さっき使ってしまったのは、イッセーを殺されたことに対して頭に血が上って
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