暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜赤と紅と緋〜
第1章
旧校舎のディアボロス
第2話 彼女に殺されました!
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天使は苦悶の声を出しながら血を吐く。

「鉄山靠!」

 さらに背中からの体当たりで堕天使を後方に吹き飛ばす!

「・・・・・・かはっ??????!? ・・・・・・貴様・・・・・・いずれ至高の堕天使となる私に・・・・・・よくも!」

 血を吐きながら堕天使が忌々しそうに俺のことを睨みつけてくる。
 俺の一撃が叩き込まれた部分には、火傷のような傷ができていた。肘打ちの際に俺の体から湧き出るオーラが堕天使の身を焼いたのだ。

「・・・・・・いまは見逃してあげるわ・・・・・・! でも、いずれ後悔させてやるわ!」

 そう言い、堕天使は翼を羽ばたかせ、この場から飛び去ろうとする!

「逃がすか──ッ!?」

 逃がすまいと駆け出そうとしたが、堕天使が光の槍を投げつけてくる!
 直感的に受けるのはマズいと思った俺は後方に跳んで避ける。
 地面に突き刺さった光の槍は爆発し、爆風の衝撃が襲ってくる。
 なんとか地面を転がりながら体勢を立て直すが、堕天使はすでにこの場から飛び去っていた。

「・・・・・・逃がしたか・・・・・・」

 堕天使に逃げられたことに内心で舌打ちする。
 ・・・・・・追うことも無理そうだな。
 完全に見失ってしまっており、追跡は不可能だった。
 ──とはいえ、あの感じは屈辱を許せないタイプっぽいな。となると、また会うことがあるかもな。そのときは──。
 ──そう判断した俺は頭を落ち着け、体から溢れてる緋色のオーラを収める。

「・・・・・・イッセー・・・・・・」

 俺は死に瀕しているイッセーに歩み寄る。──イッセーはまだ微かに息はあった。

「・・・・・・・・・・・・あ・・・・・・す、か・・・・・・」

 イッセーは虚ろな声音で俺を呼ぶ。

「・・・・・・なんだ・・・・・・何か言い残したいことでもあるのか?」

 俺は血が出るほど拳を握りしめながら耳をすませて訊く。

「・・・・・・・・・・・・へ、や・・・・・・の・・・・・・エロ本・・・・・・」
「・・・・・・こんなときまでそんなことかよ・・・・・・」

 ・・・・・・らしいっちゃ、らしいが・・・・・・もうちょい、マシな遺言はなかったのかよ・・・・・・?
 ──まぁ、それ以前にもう声を出すのも厳しいか。
 ・・・・・・もう間もなく、イッセーは息を引き取るだろう。
 松田や元浜、イッセーの両親は驚き悲しむだろうな。
 兄貴も姉貴も。二人ともイッセーを気に入っていたからな。
 千秋には──なんて言えばいいんだろうな。たぶん、誰よりも悲しむ。ただでさえ、一度大切な存在を──父さんと母さんを目の前で失っている。そのせいで、イッセーに依存気味なところがある。・・・・・・ヘタをすれば、二度と立ち直れないかもしれ
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