第1章
旧校舎のディアボロス
第2話 彼女に殺されました!
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も前に来ていたのだ。
そして、二人はデートを開始する。俺は気づかれないように二人のあとをつける。
そもそも、なんで俺がこんなことをやっているのかというと──あの日、イッセーに天野夕麻を紹介されてから抱いたいやな予感・・・・・・それが日増しに強くなっていくので、それを確かめるためにこうして尾行をしているわけだ。
・・・・・・俺の気のせいで済めばいいんだけどな。
デート風景そのものはいい感じといったものだった。町を歩き、ショッピングをし、その際にイッセーが彼女にプレゼントを買ってあげ、ファミレスで食事をする──王道で鉄板物なデートだった。
ここまでいい雰囲気だと、俺のいやな予感も気のせいのように思えてきた。
「・・・・・・帰るか」
これ以上は二人に悪いだろうと、踵を返して帰ろうとすると──。
「ん? あれは──」
俺の視界にあるものが入る。それは──。
「・・・・・・何やってんだよ・・・・・・?」
変装をしてイッセーたちを尾行している千秋だった。
いやまぁ、気持ちは察せなくもないが──その変装はなんだよ。
千秋の出で立ちは、フード付きのパーカーにサングラスに帽子というものだった。・・・・・・うん、怪しさ満点だ。
変装ってのは、自分を隠すのではなく周りの風景に溶け込ませるようにするものだ。『木を隠すなら森』ってな。自分を隠そうとすれば、必要以上のことをしてしまい、かえって目立つ出で立ちになってしまう。
俺も変装しちゃいるが、髪を後ろで縛り、伊達メガネをかけた程度だ。あとはケータイをいじるふりでもしていれば、人通りの多いここなら、そのへんにいる若者程度にしか認識されないだろう。
まぁ、それはどうでもいいとして──あれ、どうするか?
正直、自分の妹があんな格好でウロウロされるのは──勘弁願いたいな。
そう思い、千秋のところに行こうとした俺は、視界に映った光景に驚愕する!
イッセーにチラシを渡していた女性がいつのまにか千秋にもチラシを渡していたからだ。
千秋はジーッとそのチラシを眺め、何かを決心したような表情でウンと頷く!
別のいやな予感を感じた俺はダッシュで千秋のもとまで走るのだった!
―○●○―
「今日は楽しかったね!」
「ああ! 最高の一日だったよ!」
デートは順調に進み俺と夕麻ちゃんは町外れ公園に来ていた。
夕麻ちゃんは小走りで公園の噴水の前まで行くと、俺のほうに振り向いて言う。
「ねぇ、イッセー君?」
「うん?」
「私達の初デートの記念に一つだけ私のお願い聞いてくれる?」
来た! これ、来ましたよ!
「な、何かな、お願いって?」
こ、これって! もしかして、キ──。
「──死んでくれないか
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