第5話
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うとする。
「おーっとと・・・」
しかし、よほど酒が回っているのかソファから手を離した瞬間にバランスを崩し
ドスンと音をたててソファの上に倒れ込む。
ゲオルグはその自分のさまが可笑しかったのか、声を上げて笑いだした。
そうして数分立った頃、ゲオルグの目の前の空間に通信ウィンドウが現れる。
「こんばんわ〜、ゲオルグくん。 って・・・何笑ってんねんな」
通信画面の向こうにいるのははやてであった。
はやてはゲオルグが笑い声を上げる様を見て怪訝な表情を浮かべる。
「おーっ、はやてじゃねーか。 どーしたんだよ、こんなじかんに?」
はやての声に反応して笑うのをやめたゲオルグが怪しい呂律で言葉を返すと、
はやては眉をひそめてゲオルグの顔をじっと見る。
そしてアルコールで濁った瞳と真っ赤に染まった顔に気付き、深いため息をついた。
「ずいぶん酔ってるみたいやね・・・。飲みすぎちゃう?」
はやてが心配顔で尋ねると、ゲオルグは不機嫌そうに表情をゆがめる。
「あーん!? よってねーよ!」
そう声を上げるゲオルグを画面越しに見たはやては、これはダメだとばかりに
力なく首を横に振った。
「いや、どうしようもないほど酔ってるやん。ホンマはちょっと大事な話が
あってんけど、もう明日にするわ」
「かまわーねーからいまはなせって!」
ゲオルグの聞き取りづらい言葉に、はやては内心で少しうんざりしつつも
仕方ないかと小さく頷いた。
「しゃあないな。まあ忘れられても困るし、一応メールも出しとくわ。
で、話っちゅうんはな明後日の予定を聞きたかったんよ。
ちょっといっしょに行って欲しいところがあるから」
「あさってだぁ〜!? おいおい、ずいぶんきゅーじゃねーか!」
ゲオルグがそう言って眉間にしわを寄せると、はやてはしまったというように
表情を表情をゆがめる。
「あちゃ〜、もう予定埋まってんのかいな?」
「いや、うまってねーけど。 つーかあさってはやすみだしな」
自らの問いに対するゲオルグの返答を聞き、はやては付き合いきれないとばかりに
天を仰いで深いため息をついた。
「はぁ・・・、明後日の13時にゲオルグくんの官舎に迎えに行くわ。
ほんならね」
はやては肩を落として吐き捨てるようにそう言うと、
これ以上は付き合いきれないとでも言わんばかりに通信を切った。
「あ、はや・・・・・。んだよ、いきなりきりやがって・・・」
はやてに話しかけようとしたゲオルグだったが、通信が切れたことで
不機嫌そうに大きな声を上げるとソファの背にもたれかかって目を閉じた。
一方、自分のオフィスで一人座るはやてはゲオルグとの通信を切った
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