第六章 正義の在り処編
第百九十話 『ライダーとの戦い、そして……』
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ろう。
だが、シホは一言、「トレース・オン」と唱えて黒い鉄球をその手に出現させる。
それを見てネロはなるほどと、納得した。
あれならば………。
「受けるがいいさ! 俺の宝具、赤兎馬の威力を! 『赤兎―――無双制覇』!!」
ライダーと赤兎馬が赤い弾丸と化して超高速でシホへと突撃してくる。
「シホさん!」
ギンガが悲鳴を上げるがネロはある意味で落ち着いていた。
これからシホが行うのは時間の逆光。宝具殺しの異名を持つカウンター宝具。
「………後より出て先に断つ者………ッ!」
「おせぇよ! 発動前に殺してやるぜ!」
そのワードに気づかずにライダーは駆け抜けてくる。
もう手遅れだというのに………。
コード承認を受けて鉄球が光り輝き短い剣へと姿を変える。
シホの腕に紫電が走るが今は気にしてはいられない。
そして放たれる真名解放。
「―――斬り抉る戦神の剣!!」
一筋の閃光がすべての時間を遡り、突き抜けていく。
ライダーは何が起きたのかわからないかのようにその眼を見開き硬直している。
そう、赤兎馬はフラガラックによって貫かれていたのだ。
そして光の粒子となって消えてなくなる。
フラガラックの狙う対象は宝具。だからライダーは貫かれなかったのだ。宝具は赤兎馬だったのだから。
同時にライダー自身も地面に大きく叩きつけられて反動で胸からクラスカードが排出された。
それをシホは拾い、
「勝負あり、ね」
「………みたいだな」
シホはライダーに勝利宣言をする。
それに対してライダーは悔しそうな顔をしながらも笑みを浮かべながら地面に寝そべっていた。
「さて、それじゃあなたを逮捕するわ。おとなしく同行されなさい」
「それは無理な相談だなぁー………」
「えっ………? なっ!?」
シホは気づいてしまった。
ライダーの体が少しずつだが手足から塵に変わっていっているのを見て、どうして!?という思いになる。
理由はライダーが語りだした。
「俺はなぁ、もし負けて捕虜にされそうになったら緊急コードが発動して証拠隠滅されるように作られてるんだよな、これが」
「そんな………」
「あ、そう悲観すんなよ? 俺はこの戦いで一生分を使い切った。だから悔いはねぇんだからよ」
「でも………」
「ま、納得はしねぇだろうな。そんなら代わりに俺のマスターをぶん殴っといてくれよ。こんな人生を歩ませた代償としてな」
そう言ってライダーは「にしし!」と笑う。
それにシホは、
「………わかったわ。ヴォルフ・イェーガーは必ずぶん殴るわ」
「おうよ。それじゃ先に行くぜ? じゃーなー!」
そしてライダーは完全に塵になって消滅してしまった。
「……………
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