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ソードアート・オンライン‐黒の幻影‐
第1章 群像のフーガ  2022/11
4話 咎の重み
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テムはレアドロップか、或いはそれを他のプレイヤーから譲り受けるかだが、当然のことながらドロップ狙いで狩りを行うなら並々ならない努力と根気を要するだろうし、譲り受けるならばそれに見合う対価も相当なものだ。この会議のために用意したというなら大した気合の入り様だと感心してしまう。


「今日は、オレの呼びかけに応じてくれてありがとう! 知ってる人もいると思うけど、改めて自己紹介しとくな! オレは《ディアベル》、気持ち的に《ナイト》やってます!」


 爽やかな笑顔に合わせて、ユーモアも持ち合わせた《勇者様》改め《騎士様》の自己紹介に広場が沸く。口笛や、ディアベルを茶化す軽めの野次などが飛び交い、実にフレンドリーな空気が漂っている。
 実際にはジョブシステムのないSAOにおいて《騎士》などという職業はないのだが、これも要は気分だ。金属鎧に身を包み、戦いの際には活躍するであろう左腰に佩く大振りの直剣と背中のカイトシールドの外見はまさに騎士だ。流石に自称するだけはある。


「さて、こうして前線で活躍してる、言わばトッププレイヤーのみんなに集まってもらった理由は言わずもがなだと思うけど………」


 茶々が静まったのを見計らって演説を再開した騎士様は、街並みを見下ろすようにそびえる巨塔――――第一層迷宮区を指差して続ける。


「………今日、俺たちのパーティーが、あの塔の最上階へ続く階段を発見した。つまり、明日か、遅くとも明後日には辿り着くってことだ。第一層の………ボス部屋に!」


 再び広場がざわめく。驚愕の意思の籠った喧騒は、やはり階段発見の早さによるものだろう。
 アルゴの話だと、現在の迷宮区探索の進捗状況は「やっと十九階に到達した」という内容だった。それも情報を仕入れたのは昨日の事である。上層階に向かうにつれて出現するモンスターのレベルも当然のことながら高くなっていくため、探索は階を進むにつれて慎重さを増すものだが、彼の言葉が本当だとするならば、到達したその翌日にはその階層が突破されてしまったことになる。いよいよもって《勇者様》だったのではと疑問を持ってしまう。
 余談だが、アルゴから情報を仕入れる際はヒヨリに代わりに聞いてもらうと、彼女の扱う情報の価格が百パーセントOFFで手に入る。アルゴ曰く「あんな無邪気なコに『オネーサンありがとう!』って言われるとお金なんて取れないヨ………」だそうだ。流石に申し訳ないので、結局は七〇パーセント程度を支払うが。


「……みんな驚いてるけど、それってすごいことなのかな……?」


 ただ、そんな騎士様の快進撃も、ヒヨリには首を傾げてしまう内容だったのだろう。
 かくいうヒヨリも、SAOでのダンジョン探索の経験者だ。茅場晶彦によるデスゲーム宣言の直後、はじまりの街を二人
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