プロローグ
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千年前、時の始皇帝はこの大帝国を築き、国には活気に満ち溢れたという…
それは今や昔、この帝国は腐っていた。
国を腐らす原因は皇帝ではなく、その皇帝を陰で暗躍している大臣こそが元凶なのだ。
大臣はまだ子供である現皇帝を皇帝の座まで登り詰めさせた切れ者である。
自信は貴族や自分を支持する政治家、軍人等から賄賂を貰い、国民には重税で私腹を肥やす。
自信を支持しない者、自信に反抗する者には身に覚えのない罪で捕らえ処刑している言わばゲス野郎である。
しかし、その恐怖政治に終止符を打たんとする者達がいた。
『革命軍』である。
革命軍は今の帝国のあり方に反旗を翻し、オネスト大臣の悪行に裁きを下す為立ち上がったのだ。
そしてそのオネスト大臣の暗殺を目標に革命軍はある暗殺部隊を設立する。
『ナイトレイド』である。
ナイトレイドは主に帝都の重役や富裕層の人間が裏で悪事を働いているのを暴き、彼等を暗殺すると言うのが仕事である。
最終目標はオネスト大臣の暗殺…
革命軍は外から攻め、ナイトレイドは内から攻める。
そうして帝国を崩す作戦である。
今のところは……
しかし、ナイトレイドだけが暗殺稼業をしているわけではない。
帝国設立当初から裏で暗殺をしている何処の組織にも属さない暗殺集団がいた。
彼等を『ゴミ掃除屋』と呼ぶ。
しかし、今や彼等の名は当に人々から忘れ去られていた。
そう今までは……
帝都から東に数キロ先の密林の中、多くの危険種が住まうこの地に弓を持ったフードの男が一人木の幹の上で虎のような危険種を狙おうと弓を構えていた。
彼は息を殺し、殺気消し去り、目の前の獲物に悟られぬように気配を消してこの地と一体となっていた。
ミシミシと張る弦に装填された鏃は日光によって光煌めく。
殺気も気配もない『無の一矢』は自然の一光景として放たれた。
その矢には誰も気づかず、誰にも認識されることなく標的目掛け空を射抜く。
虎のような危険種はなにも気づかぬまま急所である額を射抜かれ自分が死んだことを知らぬまま絶命するのだろう。
射た後の光景は至ってシンプルで自らの死を知らぬまま絶命した虎の危険種はパッタリと真横に倒れまだ生きているかのような瞳で死んでいた。
射終わった彼はスッとその場から現れたように気配を取り戻し、殺気も微塵も感じない静かな瞳で手を合わせ、
「すまないな」
と死んだものに謝罪を述べたのだった。
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