待ち伏せ
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れた時点で昏倒していただろうが……。
「大丈夫?」
「う、うん。ありがとう……」
襲われた相手ではあるが、酷いオーバーキルをされたのを見たからか、レアは若干引いている。
その様子にユウキは首を傾げるが、すぐに笑顔になって俺に抱き着いてきた。
……少し引いてしまったのは内緒。
「さてと、こいつらはどうするか……」
「ボクはレアとリンに任せるよ!」
「私は……」
レアは迷っていた。襲われたのは事実だが、こんなのでも、元々は同じ村で住んでいた(嫌っていたとはいえ)仲間だ。甘い性格のレアには即座に切り替えることができないらしい。
「なら、こうするか。このまま放置する。こいつらは(運が良ければ)助かるし、俺達も無駄な時間を使わなくて済む」
十中八九ゴブリン達に発見されて肉にされそうだが、ここで俺達が殺すのは後味が悪い。見捨てるのも十分後味が悪いが、殺すよりはマシだろう。
それにレアならきっと……。
「そうですね! じゃあ、道案内を再開しますね」
単純だから字面通りに受け取るだろう。簡単に納得し、先へ進んで行く。ユウキもそのすぐあとに続いた。
それを横目に見ながら、俺は三人の襲撃者達に向かって呟く。
「……刈り取った命の重みを背負うのは俺だけで十分だ。謝罪はしないがその責務から逃げはしない。だから恨むなら俺を恨め。……まぁ、聴こえてないか」
自嘲げに微笑んでいると、前方からレアの元気な声が聴こえてきた。
「あれ?何で立ち止まってるの?早く行こうよ」
「ああ、わかってる」
微笑みを引っ込め、小走りでレアとユウキに追いつく。
先導するレアの後ろをユウキと並んで歩いていると、ユウキがレアには聴こえないように耳打ちをしてきた。
「リン。ボクも背負うからね」
何故かユウキにはバレていた。そんな疑問が雰囲気に出ていたらしく、ユウキは苦笑する。
「リンのことだからね。アスナとかキリトから聞いてたんだ」
「あいつらはまた勝手に……」
守るために剣を取り、人の命を奪ったソードアート・オンラインの中での出来事。対ラフコフ戦でも俺は多数の命を奪った。そのことを人の知らないところで話していたらしい。
「勝手に聞いたことは謝るよ。でも、リンのことをもっと知りたかったから……だから」
「別に怒ってはいない。ただ、聞いていて楽しい話ではなかっただろうと思ってな」
「あはは……」
図星だったのだろう。笑ってごまかすユウキ。
「でも、そういうのにちゃんと向き合ったっていうのはカッコイイと思うよ?ボクは途中でどこか諦めちゃってたし。自分の命も背負えないボクが他人の命を背負おうなんておかしいかも知れないけど……ボクはリンだけ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ