食欲と渇望
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根っこの部分に当たる土ぼこりの中へ向けて左手を翳す。
「“風砲暴”ああぁぁっ!!」
破壊と断裂の嵐が斬撃の主へと迫る。
巨大な刃を振り切った直後なので、この攻撃には対応できないだろう……そして“風砲暴”が直撃するかに思われた、その寸前―――――余りにもあっさりと、彼女の必殺技は両断された。何時の間にか構えなおされ、サイズも縮んだ剣によって。
『うげェッ!? マジカヨ!?』
「うそ……!?」
驚きながらも空気の噴射で横に僅かにずれ、グラトニーは何とか剣の直撃は避ける。一発外れたならより力を込めてもう一発……そう考えて左手を構えた時だった。
「あぐっ!?」
『グッ……相棒!!』
まるで巨大な万力に挟まれたような衝撃が、『何も無い筈の空中で』グラトニーを襲った。体勢を見事に崩し、着地は出来ずに激突してしまう。
ダメージが大きいのかフラフラと立ち上がるグラトニーへ、ようやく敵方から声が掛かった。
「去勢、脆弱、弱者……とはいったが、いや中々にやるもんだ。流石に、驚愕、愕然、しかしこれはまだ前哨……へばるなよ」
「だ、れ……何な、の……?」
「本名、名称、紹介、知る事を望むのか。理解、了解、そして問に回答しよう」
『相棒、驚くんじゃあネェ、そして隙を見せるナヨ……アイツハ――――』
グラトニーの言葉に敵が答えるのと、ラースがグラトニーへ真実を告げるのは、ほぼ同時であり……
「俺の名前は“サースト”、渇望を、渇きを表す言葉を持つ、お前と同じエレメリアンだ」
『アイツは……俺らと同じ“単純感情種”のエレメリアンなんダヨ……!!』
「そん、な……!?」
グラトニーへ与えた驚愕の度合いも、同じであった。
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