食欲と渇望
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を与えるかに関わらず、詳しい事が知りたいと思う者は多数いて、テイルレッドに続き記者達の格好の的となっている事もあるので、出来るだけ早々に撤退しておいて方が身のためだとラースは考えていた。
グラトニーも、美味しそうな御馳走を持っている人が混じるギャラリーに、理性や嫌悪含めて揉まれたくは無い為、二つ返事で了解している。
「……よっこらせ」
『ジジイか相棒ハ……まあいイカ、そんじゃワープを―――――』
そして、ラースがワープを行う為に力を込めようとした途端、グラトニーの鼻がひくつき、匂いを嗅ぎ取るや否や猛然とダッシュし始めた。
ラースも何がやりたいのかは分かっているのか、ワープを中止してグラトニーへ話しかける。
『意地汚く待っていた甲斐があっタナ! 待望のエレメリアンダゼ!!』
「ごはんーーー!!」
『……もっと他に言うこた無いってのかい相棒ヨォ?』
ちょっとした意地悪で半ば真実な冗談を口にしたのに、アッサリとスルーされればそりゃ落ち込む。しかもラースとしては捻りの利いた返しを期待していたようで、その返しがまさかの食い意地全開欲望満開な返答ならば、ガックリとも来るだろう。
「ゴハァァーーーーン!!!」
『マ、いイカ。それにしても相棒興奮してやがるナァ! まあ俺もだけドヨ! 何せ今までの奴らとは力が違ウ! 骨の髄まで喰ってやリナ!』
「メシィィィッ!!」
だが、嗅ぎ取ったエレメリアンは相当な属性力を蓄えている者だったかグラトニーは妙に興奮しており、ラースもすぐに落ち込みから回復して同調する。
彼女が向かっている方向は奇しくも先程エレメリアンが倒されたのと同じ場所であり、もしかすると先に降り立ったエレメリアンが囮か何かではないかという危惧も持たせるが、ラースは焦りなどこれっぽっちも持ってはいない。
(『属性力は中々に強イ、苦戦もしそうダガ……余程力に開きがあルカ、下手打たなければまずグラトニーは大丈夫ダロ。何せ俺の力も宿ってんだかラナ、いざとなったら力貸してやればイイ。完全再生までの時間が伸びるが根本に支障は無いシナ)
徐々に気配が近くなってくるのを感じ、グラトニーは待ちきれないとばかりに右足から空気を取り込んで、一気に目的地までの距離を縮めるべく力を込めた。
「……風―――」
(『何ダ……? 妙な気配ガ―――』)
するとラースは突然、感じた何かに不信感を抱いた。
―――――刹那――――
『!! 相棒止マレッ!!!』
「!?」
ラースの大声に驚きながらも、言われたとお
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