空白期 第17話 「フェイトの初デート?」
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「お母さん達にプレゼント?」と聞かれたが、俺は何とも言えず微妙な笑顔で頷き返すだけだった。
先ほどの場所に戻ってから10分ほど経った頃、フェイトが駆け足で戻ってきた。手に袋詰めされている商品があることから無事に買えたらしい。
「待たせてごめん!」
「だからいいって。きちんと買えたようで良かったよ」
「うん……ありがと」
「別に礼を言われることじゃ……もう出ていいかな?」
周囲を見渡してこちらの気持ちを汲み取ってくれたフェイトは、俺の提案に素直に応じてくれた。俺は知らず知らずのうちに緊張していたのか、外に出たのと同時に大きく息を吐いた。
「えっと……意外と早く終わっちゃったね」
「そうだね。でも決められないでずっと歩き回るよりマシだと思うよ」
「それは……うん、そうだね」
無事にプレゼントを買えたはずなのに、どことなく元気がないように見える。ちゃんと時間をかけていたので、納得いくものが買えなかったわけではないと思うが……。疑問を解消すべく尋ねようとしたとき、フェイトが先に口を開いた。
「あの……これ」
こちらの顔色を窺うようにしながら差し出されたのは、プレゼント用に袋詰めされている何か。無意識に受け取ってしまったが、いったいこれは何なのだろうか。
「えーと、何?」
「その……今日付き合ってくれたお礼」
「あぁ……うん、なるほど……」
個人的にこのようなものをもらうほどのことをした覚えはないのだが、すでに買ってしまっているし、フェイトの性格を考えると断ってしまうと「迷惑だったかな……」などと考えてしまうだろう。
「ありがとう……どうかした?」
「え……えっと、あっさり受け取ってくれたから」
「それ……何気にひどくない?」
「あ、いや、そのごめんなさい!」
「冗談だよ」
笑いながらそう言うと、フェイトは少しむすっとした顔を浮かべた。どことなく高町がいじわるだと言うときの顔に似ている気がする。仲が良いとこのへんの反応も似てくるのかな、などと思いつつ、俺は先ほど買ったものを取り出す。
「今のお詫びってわけじゃないんだけど、はいこれ」
「え……」
「親子用のリボンが売ってたからさ。こういうのって母と娘じゃないとできないことだし、リンディさんにもしてみたい気持ちがあるんじゃないかと思って」
「で、でも……」
「いいから。君やリンディさんにはよくしてもらってるんだから」
半ば強引に押し付ける形になってしまったが、少しの間のあとフェイトは見惚れそうな笑顔を浮かべた。
「あ、ありがと……大切にするね」
「い、いや……まあそうしてもらえるとこっちとしても嬉しいかな」
「……えっと、今日はありがとう」
「あぁうん……これからどうする?」
「予定は済んじ
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