空白期 第17話 「フェイトの初デート?」
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って思うところはない。
――あいつは無表情に近い顔で商品を見定めていくから話しかけづらいし、傍に居づらいんだよな。かといって積極的にこれはどうだって聞いてくるから離れると無言で圧力かけてくるし。女の子という存在そのものが難しいのか、シュテルだから難しいのか……。
「うーん……子供っぽくないのがいいよね。かといってシンプル過ぎるのも……」
早く済ませるって言ってたけど、これは時間かかるかもしれないな。まあクロノのプレゼントがあっさり決まったわけだし、そもそも1日付き合う覚悟で来たわけだからいいんだけど。フェイトが納得できるものが買えないほうが問題になるし。
「……ショウはどれが良いと思う?」
「そうだなぁ……家とかこっちで過ごす分には装飾が凝ったりしてるのもいいと思うけど、あの人なら気にせず仕事にもしていって自慢しそうだし。まあ派手過ぎないのがいいんじゃない?」
「そうだね……となると」
「このへんのがいいんじゃ……」
最後まで言い切れなかったのは、気が付けばフェイトの整った顔が目の前にあったからだ。同じものを取ろうとして距離が縮まったらしい。
「「…………」」
至近距離で見詰め合うように数秒視線を重ねた俺達は、ほぼ同じタイミングで互いから顔を背けた。もう少し精神年齢が低ければ気にしなかったのだろうが、俺達は魔法関連のことで働いているので半社会人とも言える立場にある。同年代よりも大人びてしまうのは仕方がないことだろう。それ故にこのようなことが起きてしまっているので、ある意味では困ったものだが。
「えっと……リボンに絞らなくても、他にゴムとかもあるよね?」
「そ、そうだね……ちょっと見てきていいかな?」
「あぁうん、俺はここで待ってるから」
「分かった。じゃあ……行ってくるね」
フェイトは俺から逃げるように走って行った。彼女は異性と接するときに適度な距離感を保つタイプなので、先ほどのように接近してはああなるのも無理はない。
――……俺なんかのこと意識してくれてるんだな。
はやてやシュテルと身近にいた女子は家族に近い感覚だったので、フェイトのように異性として意識してくれるのは恥ずかしさもあるが嬉しく思う。
「……何考えてんだか」
こんなこと誰かに知られたらからかわれるに決まってる。というか、俺だけならまだしもフェイトにも飛び火しかねない。
それに俺が過剰に意識したら絶対あっちに伝染して妙な空気になる。全く意識しないというのは無理だと思うが、出来る限り普段どおりに振る舞わなければ。
「……ん? ……多分少しくらい時間はあるよな」
フェイトの性格ならば即行で決めて戻ってくる可能性は低いと思った俺は、目に留まった商品を手に取ってレジに向かった。買う際に店員から
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