空白期 第17話 「フェイトの初デート?」
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。だが、別に俺達くらいの子供がひとりで服を買ってもおかしくはないだろう。あまり気にしないようにしよう。
「どういうのがいいかな?」
「そうだな……クロノは真面目というか誠実な奴だし、色は白とかがいいんじゃない?」
「確かに。あっでも青とかもいいんじゃないかな。例えばこれとか……」
フェイトは目に留まった青色の服を手に取ると俺の前に持ってきた。はたから見れば、まるで彼女が彼氏に服を選んでいるように見えるのでは……、なんてことを一瞬とはいえ考えてしまったために恥ずかしさが込みあがってくる。
こういうことはシュテルからされたことがあるけど……あいつは何でも本気で選ぶからな。だから今みたいな感じにはならなかったし。
「うん、似合ってる」
「……そ、そう」
「あ……ご、ごめん」
やっていたことがやっていたことだけに恥ずかしくなってしまった俺達は互いから視線を逸らした。無言が流れ始めたせいで、今まで気にしていなかった周りの声が聞こえてきてしまう。
「ねぇ今の見てた?」
「うん、何か初々しくて可愛いね」
「だよね。けどいいなぁ……あたしも彼氏ほしい」
「こらこら、あの子達小学生くらいでしょ。嫉妬してどうすんの」
「それはそうだけどさ、いまどきの子ってそういうの早いって言うじゃん」
そんなことを話していたのは中学生くらいの女子達。何やら俺とフェイトの関係を誤解しているようだが、ここで何か言うのははたから見れば肯定しているようなものだろう。
というか、誤解されるような関係に俺達は見えているのか。小学生の男女が一緒にいるだけだというのに。何で年上の人達はただ一緒にいるだけで勘違いするのだろうか。俺とフェイトの関係はただの友達なのに。
「えっと……それにする?」
「そ、そうだね。多分クロノに似合うと思うし……わ、私買ってくるからショウは先に出てていいよ」
「そう? じゃあそうしようかな」
緊張や羞恥を覚えてしまっていた俺は、やや急ぎ足で店から出た。それから数分後、袋を持ったフェイトが出てくる。俺と視線が重なると、先ほどの女子中学生のやりとりが頭を過ぎったのか頬を赤らめて俯いてしまう。
「……次行こうか」
「……うん」
今度はリンディさん用のプレゼントを買うために歩き始めたわけだが、俺とフェイトの間には何とも言えない距離が出来ている。しかし、それを埋める方法は思い浮かばない。下手に何かすれば余計に拗れてしまうだろう。
「…………リンディさんには何を買う?」
「えっと……服以外で日頃使えるものといえば食器とかだけど、食器はお揃いのがもうあるから外したほうがいいよね」
「そうだね……」
子供が買える値段でなおかつ日頃使えるものか……あまり人にプレゼントなんかしたことない
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