二十四章 幕間劇
短刀の持ち主×藤川での茶の湯
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刀が欲しいが、金は借りられぬ、ただ受け取るのも厳しいという訳か」
「ええ。まあ・・・・」
「よし。であれば、余の短刀をくれてやろう」
そう言うと、一葉は腰の短刀を鞘ごとするりと抜いて、ひよにひょいと差し出してきた。ん?この場面は似たような場面で見た事あったような気がする。吉音達と会った時だったかな?まああの時は八雲の時だったからか、剣術を隠していたから師となる者から剣を頂いたんだったか。
「えええええええええええええっ!?な、何でそうなるんですかっ!?」
「主様の役に立ちたいというなら、それは余のためでもあるからの。やるというのだから、金の動きはない。であれば、母の教えにも引っかからぬであろう?」
「ちょっと、公方様?」
「このくらいの物、二条に戻ればいくらでも転がっておるのじゃ。一本や二本くれてやった所で、別に痛くもなかろう」
「いやちょっとそれはいくらなんでも・・・・!」
「いいじゃねーか。公方がくれるっつってんだから、もらっときゃいいんだよ。ここにいる神の目の前でも許してんだから、もらわないとバチ当たるぞ」
神の目の前とは俺か?まあ俺は確かに神だし、公方からもらっても別に罰当たりではないから心配はないと言うのだろうな。小夜叉の奴は。あと気になるのが一点あるから幽に聞いてみた。
「・・・・幽。一葉の短刀って?」
「確か来国光だったかと・・・・」
来国光・・・・鎌倉時代末期の刀工。信長が好きだったらしい。
らいくにみつ・・・・。スマホで確認すると戦国時代よりも前である鎌倉時代末期にいた刀工だと書いてあった。それって有名なのかな?
「それって・・・・凄いの?」
「そうですな。そこの短刀程度であれば、百振り買ってもお釣りが来るでしょうな」
ああなるほど、凄いというよりかは宝剣並みとでも言おうか。
「正直、あまりほいほい下賜なさって良い品ではないのですが・・・・まあ、ひよ殿なら仕方ありますまい」
ひよはころと並ぶほどの一真隊の押さえの要と言うけど、俺にとっては一真隊より黒鮫隊の指揮の方が忙しいし。正直一真隊に黒鮫隊が数名いただけでも、十分有難い感じではあるが今まで戦ってきたし将軍の一葉達まで押さえているからなのか、これはとても凄い事らしい。小夜叉から金を貰うか、一葉から短刀を受け取るか二択の選択肢が生まれたな。ひよは困っているが、二人は楽しそうにしている。
「うぅ・・・・ぐすっ。・・・・ありがとうございます。一生大事にします」
結局のところ、小夜叉からもらっとけと言い寄られたがひよは半泣きで一葉から短刀を受け取っていた。今更だが、短刀なら金ではなく創造の力で創れたから俺が渡せば何とかなったかもと今頃思いついていた。
「余がくれてやっ
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