人間関係の面倒くささ
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。
最近は彼に会うたびにその話題を挙げようとする。
しかし、喉の手前で止まる。
やはり俺にはまともな人生は歩めないのだと再認識したその日の出来事だった。
"ガラッ"
「おう比企谷、お疲れさん」
「…よう」
奉仕部部室。
毎度のように無言で入室する比企谷にそれまた毎度のように挨拶をする俺。
最近、俺は比企谷のフォロー役となっている気がするのが否めない。
「…会わなかったの?」
「誰とだよ」
雪ノ下が比企谷に問いかける。
"ガラッ"
「あー!いたー!」
「な、何だよ」
突然扉を開けて入ってきた由比ヶ浜に驚きながら、
比企谷は返答を返した。
「お前が中々ここに来なかったらな」
「探しにいっていたのよ。由比ヶ浜さんが」
「その倒置法で自分は違いますからアピール要らねぇから。知ってるから」
「俺はそんなつもりないからな。因みに俺はついさっき来たばかりだ」
そう。
俺は職員室に呼び出されており、部室に来るのが遅れている。
「わざわざ聞いて歩いたんだからね!
そしたら皆『比企谷?誰?』って言うし…超大変だったんだからね!」
因みに俺も探されていた。
俺の場合、由比ヶ浜は真っ先に心配されたらしい。
主に暴行を受けないかとかで…。
「わ、悪かったよ」
「べ、別に…いいんだけどさ…。
だから…その…携帯教えて!
ほ、ほら!わざわざ聞いて回るのおかしいし!恥ずかしいし!
…どんな関係って聞かれるとか……あり得ないし…」
「別に良いけどよ…ほれ」
そう言って何やら薄い機械?を手渡す比企谷。
「あれ?確か携帯ってこう…開くやつじゃ無いのか?
ほら、ボタンがあって、文字が打てる小さい受話器みたいなやつ」
「お前は昭和のじいさんかよ…。
これはスマートフォンっつってだな…。
お前の言っている形の最新型みたいなもんだ」
「へぇ…難しそうだな」
「そうでもねぇよ……つーか今の会話からしてお前、携帯持ってないのか?」
「ふっ。俺はそんな電子機器に金銭を巻き上げられる失態は犯さない。
俺は知っているぞ比企谷。
それは俗に言う裕福な家庭を持つ者が持つ、言わば排水溝の延長線上の物だと言うことはな!」
そんな大切なお金を通話した瞬間に何千円と消費するドブを好んで使うなど愚の骨頂。
俺はそうやって騙された人を知っている。
婆さんがそうだったし…。
あの時は大変だったなぁ…。
「いやいやお前。それ大分前の話だろうが。
今は契約したときにコースとか選んで設定とか出来るんだぞ。
ふざけたことをしなければ月に払うかねなんて五千円以下だ。
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