十二話:うちの猫は可愛いです
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そんなことを考えながら年の割に大きな背中を見つめる。
鍛えられた体、まだ未発達な部分もあるけれどそれでもなお逞しさを感じさせる
肉体をマジマジと眺めながら思う。エロい!
どうしよう、今すぐにでも食べたくなってきちゃったにゃ。
前の方はどうなのかと興味津々で覗こうとすると―――
「お願いだから前だけはやめてくれ……」
泣きそうな顔で止められた。
……なんなのにゃ?その乙女みたいな反応は。
あれ?もしかして私より女子力高かったりする?
そう思いながら渋々引き下がっている時にふとルドガーの左腕に目がいった。
そこにはあったのは深々と刻まれた切り傷、鋭い刃物で斬られたのだと一目で分かる傷に
思わず息をのむ。
「ルドガー!この傷一体どうしたのにゃ!?」
そう言えば、ルドガーが最近、白音がいるグレモリー眷属と
最近よく一緒にいるらしいからもしかしてそこで何かあったの?
それとも私と一緒にいることがばれたとか……。
「ん?そう言えばこの傷は残ったままだったんだな……これは、自分で斬った傷だな」
「自分で……斬った?」
「ああ、ちょっと色々あって……魔物をおびき寄せるために血が必要だったからさ」
「それで…自分で……斬ったのかにゃ?」
何でも無さそうに頷き、懐かしそうに左腕の傷を見つめるルドガー。
自分の血を使わなければならないほど切羽詰まった状況にまで追い込まれたのは
一体どういう理由なのだろうかと思いルドガーに聞いてみる。
「昔、一緒に旅をしていた女の子がいてさ。その子が魔物の呪い…と言うか毒みたいなものにやられてさ、その魔物を誘き出さないといけなくなったんだ」
「ルドガーって旅をしてたのかにゃ?」
「ああ……懐かしいな」
そう言ってどこか遠くを見つめるような仕草をするルドガーが
酷く危うげに見えたのは何でだろう?
誰にだって過去を思い出すことはある、でもルドガーのは何だか違う気がする……
まるで―――
――過去に囚われてるそんな感じ――
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