DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二十四話
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なんて――――好きにならなければよかった!!」
その一瞬だけ。
ガラディーンが、小さな少女に見えた。
今の彼女は、十八歳前後の外見をした美しい少女だ。だがその瞬間だけ垣間見えたのは、もっと若い少女の姿。
痛々しい、拒絶の色。
混沌。
《灰色》。
何でもかんでも、捨ててしまえという、この世界への絶望が、見え隠れする姿。
こんな『セカイ』は要らないと。
そんな『あなた』は要らないと。
『自我』だらけの『あなた』は要らないなんて言いながら、結局自分も『自我』だらけの、そっくりだけど、決定的に違う少女。
誰かを想えと言っておきながら、結局自分も誰かを想えなくて。
けどそれでいいと。そう言えない。
自己満足のかたまり――――ああ、結局『あの人』と同じ。
みんなみんな――――無意味だと。
大好きで、大嫌いで。そんな世界が大好きで、大嫌いで。
結局、何の意味もないのに、生きている。
そんな矛盾だらけの世界が、大好きで、大嫌いで。
消えてしまえ。
捨ててしまえ。
滅びてしまえ。
お前らみたいなのがいるから、結局全部だめなんだと――――
だったら皆、
消えてしまえ捨ててしまえ消えてしまえ消えてしまえ滅びてしまえ消えてしまえ消えてしまえ捨ててしまえ捨ててしまえみんな敵だみんな大嫌い消えてしまえ消えてしまえ消えてしまえ滅びてしまえ消えてしまえ捨ててしまえ消えてしまえ捨ててしまえ消えてしまえ滅びてしまえ滅びてしまえ捨ててしまえ消えてしまえ捨ててしまえ捨ててしまえ捨ててしまえ捨ててしまえ消えてしまえ捨ててしまえ消えてしまえ滅びてしまえ消えてしまえ消えてしまえ消えてしまえ消えてしまえ滅びてしまえ捨ててしまえ捨ててしまえ消えてしまえみんな大嫌いみんな大嫌いみんな滅びてしまえ消えてしまえ消えてしまえ消えて―――――
「……っ!!」
その内面に秘めた余りの混沌に、コハクは一瞬意識を攫われかける。
気が付いたときには、そこは《白亜宮》の真っ白い空間ではなかった。
黒い。
何かが蠢いている――――これは……銃弾? 刃? とりとめない、あらゆる狂気が、凶器が、つまった部屋。その中心に、コハクとガラディーンは浮いていた。
ガラディーンの姿は、最初に見た時と同じ、くせ毛と大正袴の女学生風スタイルに戻っていた。が、決定的に違う部分が、一か所。
その眼だ。
操られていた時の紅蓮色ではなく、元の灰色に戻っていた。
その中にあったのは――――《主》の意思には左右されない、彼女の、本心からの『敵対』の意思。
「――――『この銃には
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