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転生とらぶる
マブラヴ
0828話
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も無い。
 ああ、でも性能試験をやってたくらいだから、その際の映像が残っていたりはするのかもしれないな。

「よし、じゃあお前達はゲートの護衛に付け。現在この周辺はシャドウミラーの土地となっている。もし武装して攻め込んでくる相手がいたら、各自対処しろ」
「了解しました」

 意図的に周囲へと聞こえるように命令すると、何人かの軍人や政治家が微かに眉を顰める。
 その中に先程の中佐が入っていたのを考えると、恐らくあいつらがアメリカの息が掛かっている奴等……いや、違う。単純に異世界人である俺達に頼るのを良しとしない強硬派の線もあるか。
 何しろ、宇宙から攻めてきたBETAに地球を荒らされている以上、似たような存在ともいえるシャドウミラーに対して強硬、あるいは恐慌的な態度に出る奴がいてもおかしくはない。
 異世界と宇宙では全く話が違うんだが。

「アクセル代表、では私達が君達に連絡を取りたいと思った時はどうすればいいのかね? 迂闊に近づいて彼等に攻撃されるのは避けたいのだが」
「普通に武器を持たずに近づいてくればいいさ。そして、量産型Wに俺と連絡を取りたいと言えば通信を繋げてくれる。とは言え、有象無象が大量に来られるのも困るから、クリメナとリトラスの2人が来た時だけ連絡を取れるようにしておく」

 その言葉に、周囲で再び不愉快そうに眉を顰める者が数人。
 こっちは恐らくクリメナ辺りを出し抜こうと考えていた者達か。
 当然と言えば当然だが、この世界でも国が1枚岩になるというのは、BETAという脅威があっても相当に難しいらしい。
 まぁ、3人集まれば派閥が出来ると言われているし、それを思えばシャドウミラーのように1つの国の中で派閥が出来ないというのは、寧ろ珍しい事なんだろう。

「他に何かあるか?」
「……私達の世界との交流に関しては、具体的にいつ判断を下して貰えるのかを聞かせて欲しい」
「そうだな、最終的な決定に関しては数日程度は貰うことになる。だが、この世界の事を色々と知る必要もある為、明日にでもそちらの代表と会談を開きたいと思ってるんだが、どうだ?」

 暗に外務省ではなく首相を出せと告げるが、それに戻ってきたのはクリメナの困り顔だった。
 確かに首相と会わせろ、はいそうですかという風にはいかないか。
 だが、それはあくまでも通常の話だ。現在のこのマブラヴ世界は、正真正銘人類は滅亡の瀬戸際にある。それを打破する可能性があるのだから、その程度の柔軟さくらいは見せて欲しいところだ。
 向こうにしても、それは理解出来たのだろう。数秒程の沈黙の後、やがて頷く。

「分かった。明日……とは約束できないが、出来るだけ早いうちに会談の席を用意する。それで構わないか?」
「ああ、それでいい」
「バソールト副長官!」


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