30話 ≪自らの真意≫
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けている事は、すまないと思っている」
「そういう事を聞いてるんじゃねぇ。……お前自身は本当に、元の世界へ戻りたいと思ってるのか?」
「 ────── 」
「そうやって黙る事自体、お前が"すまない"と感じるべきなんじゃねぇのか」
「サラマンダー……、何もそのように言い立てる必要あるまい?」
「俺はただ、真意の見えないこいつが気に食わねぇだけだ」
サラマンダーの言う事にも一理あると思ってか、フライヤはそれ以上言おうとせず、当のマゥスンは表情をほぼ変えずとも僅かに目を伏せたように答える。
「 ………元の世界に戻らなければならないのは事実。他の者達に、後始末を任せきる訳にもいかない」
「他の者達ってのは……、お前を待っている奴らの事か?」
「 …………、よく判らない」
「判らないも何も、それが"仲間"と言うものじゃ。……のう、サラマンダー?」
「 俺に聞くな 」
フライヤに微笑され、何故か極まりが悪くなるサラマンダー。
「とにかくお前には、待たせてる奴らが居るって事か。お前の素振りからして、これまでの俺と同じように独りで行動して来たのかと思ったが、そうでもねぇらしいな。まぁいい………それよりそこのチビガキ共、盗み聞きは良くねぇぜ」
ふとサラマンダーが船室のドアの向こう側に声を掛けると、足早に二人くらいの小幅な足音が遠のいていった。
「……どうやら、エーコとビビに聴かれていたようじゃの。まぁ、今さら隠す事もない。おぬしは独りではないのじゃ、出来うる限り私らはおぬしの力となろう」
「 …………、ありがとう 」
フライヤの言葉をどう感じてか、エーコから教わっていた礼を述べておくマゥスンに、サラマンダーが話の核心に触れてくる。
「それで、肝心の元の世界に戻る方法とやらは分かったのか?」
「 ────こちらの世界に存在する異世界に通じるゲートにて、事象の異なる次元の狭間を見つける事が出来れば、そこから別ルートを通して戻る事が可能なはず」
「ふむ……それにはやはり、鍵となる4つの鏡で異世界へ通じるという輝く島の封印を解かねばなるまい。おぬしの消耗が激しいとなればこの先、無理をするでないぞ。サラマンダーが施した"気"で何とか留められたようじゃが、それでも消滅を免れなくなるやも知れぬからな」
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