一弾 武偵と掃除屋……
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『不殺』を誓う俺にとってはその法律は嬉しい。
無闇やたらと人を殺すのは好きじゃねえからな。
「ええ。と言ってもこれは日本の武偵のみに適用される法律ですから他国だと殺人が認められている武偵とかもいるんですけどね」
この辺りは掃除屋と大きく違う点だな。
俺達掃除屋は基本的には殺人はしない(殺した場合、報酬は半額)が、危険度が高い犯罪者と対峙した場合はDead or Aliveとなるからな。
もちろん俺も人を殺したことならある。
思い出したくない思い出だが彼処で育てられなかったら今の俺はいねえから考えてもしょうがねえんだけどな。
「あら。お話してたらあっという間に時間になりましたね。
校長先生がお待ちですからさっそく校長室の方に行きましょうね。
遠山君と神崎さんはもう寮へ帰りましょうね」
「んー、んー、ぷはぁ。先生、やっぱりアタシも行きたい!」
「おい、コラ。アリア」
「んー、ごめんね。神崎さん。
それはできないの。校長先生はトレイン君しか呼んでないし、これは上からの命令でもあるから……貴女も上から睨まれたくないでしょう?」
「上から?」
「校長だけじゃない、のか?」
アリアとキンジの二人は何やら困惑した表情を浮かべて視線を高天原先生から俺の方に向けてきた。
「……アンタ、本当に何者よ」
「トレイン、お前……」
二人が困惑や疑惑が篭った視線を向けてくる気持ちはよくわかる。
だが、あいにく俺には何がなんだかさっぱりわからない。
突然、この世界に居て武偵やら校長と会うだの、死んだ筈のサヤが生きているだの、わけがわからないことだらけだ。
「何が何だかわからねえが……とりあえず行ってやるよ」
アリアとキンジに見送られた俺は高天原先生に連れられてエレベーターに乗り教務科より上の5階でエレベーターから降りた。
通路を進んで行くと『校長室』と書かれたプレートがある部屋の、木彫りでできた扉の前で止まらされた。
高天原先生が扉をノックすると、中から______
「はい、はい。開いてますよー」
という返事が聞こえ、扉が開かれた。
さあ、何が起きるかはわからねえがアレコレ考えてもしょうがねえ!
突撃だー!
俺に害を与えるような奴らなら送り物を届けてやるよ。
『不吉』を、な。
◇ とある海域。
その海底ではある一隻の潜水艦が航行していた。
巨大なその潜水艦の中にある、とある部屋でクラシック音楽が流れる中二人の人物が机を挟んで向かい合うように座っていた。二人が着席しているその机の上では駒を兵隊や王族に見立てて戦略を練りながら遊ぶボードゲームの一つで
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