一弾 武偵と掃除屋……
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複数の殺気を浴びせられている。
「ば、馬鹿。アリア辞めろ!」
キンジが焦った顔をしながらアリアを羽交い締めにした。
アリアがまだ何か言いそうだったからキンジと目が合った俺がアイコンタクトを取りキンジに抑えるように命じたからなんだけどな。
余計な事を言う前に俺は片手でアリアの口を塞いで女性教師に質問をした。
「10分後……か?」
「はい、そうですよ。
ハートネット君の転入手続きの件で準備にそのくらいかかるみたいですね」
ニコニコ顔でそう言っているが、早すぎる。
この対応はおかしい。
たった10分やそこらで俺がこの武偵高とやらに転入できるようになるなんて変な話だ。
俺にはこの世界に身分を保証できる戸籍や住民票なんてものはないし、第一俺が目覚めてからまだ3日しかたってないと教務科に来る途中でサヤが言っていたからな。
この対応の速さはまるで俺がここに来るのが初めからわかっていたかのようだ。
そんな短期間で身元も不明な俺を武偵という掃除屋に似た組織に入れたがるなんて何か裏があるに違いない。
「いいのか?
俺みたいな餓鬼を賞金稼ぎにして」
「それは大丈夫ですよ。トレイン君は成人してるようですし、武偵高には附属の中学校もありますからそこからのインターンという扱いにしますし。
武偵の中にはトレイン君みたいな外見の子もいますから」
「なるほどなー」
チラッとアリアの方を見てみればキンジに口を塞がれたアリアが「んー、んー」と喚いてるが気にしないでおこう。
「それと武偵はただ犯人を捕まえて報酬を得るというだけではありませんよ。
確かに賞金稼ぎと似てるかもしれませんが警察に準ずる活動ができる国際資格である武偵は『武装許可』や『逮捕権』などを持っていますので武偵法の許された範囲で自由に活動できるんですよ。
後は所属する学科によっては様々な専門知識や技能が求められます。
強襲科なら戦闘力、探偵科なら推理力や洞察力、超能力捜査研究科なら異能、車輌科なら運転技術などそれぞれの学科によって求められる能力は違います」
「なるほどなー」
高天原先生の説明に頷く。
武偵は俺達掃除屋と比べても国際資格である点や武装許可、獲物を捕獲することができる点は対して変わらないみたいだ。
学科や技能に関しては通じる部分や意味がわからない言葉とかあるけどな。
「後、そうですね。日本の武偵は殺人が国の法律で禁じられていますので殺さないように依頼を達成してくださいね。
それと受けられる依頼はランクごとに違いますから気をつけてください」
「殺人が禁止……か」
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