一弾 武偵と掃除屋……
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人《クロノナンバーズ》やクリードを相手にした時に感じた重さと鋭さだ。
「ワイの攻撃を防ぐなんて見所ありそうな餓鬼やな」
大女はその肉食獣のような口元に笑みを浮かべると長刀を握る手とは別の空いている手に持つ大型の回転式銃を俺に向けて再び発砲した。
______ドウッ??
「ちょっ……??」
落雷のような発砲音がして銃弾が俺の足元に着弾した。
幸いとっさに避けたから被弾こそしなかったが当たっていれば大怪我をしていた。
頭部に被弾していれば間違いなく死んでいただろう。
「この野郎??もう我慢できねえ!」
俺は目の前の大女が撃つ度に銃口の向きや体の仕草から弾道を予測していき、回避を繰り返しながら女との距離を詰めていった。
「黒爪??」
装飾銃の爪で力一杯、女の脇腹を殴った。
______ドゴオっと硬い物を殴りつけた感触がしたが殴ってすぐに気づいた。
この女の身体……筋肉でできた鎧みたいだ、と。
外見とは裏腹にその女の身体は強靭な筋肉に覆われていて装飾銃で殴りつけても骨を折るどころか筋肉を痛めることさえ難しいと殴った瞬間理解した。
「なんや、マッサージか?」
「ぐっ……殴った俺の方が痛てえとか、アンタ本当に人間か?」
元の身体の俺なら、あるいは装飾銃が完全にオリハルコン製だった頃ならこの女に大ダメージを与えることができたかもしれない。だが、今の子供化した俺の力ではこの女に鋭い一撃を与えるのはかなり厳しい。
だけど……。
「これならどうだ!
黒十字??」
装飾銃に内蔵されているワイヤーを使い、普通に殴りつける黒爪とは違い交錯させるように切り裂くイメージで黒爪を再び放った。
______ドゴオオオォォォン。
先ほど放った一撃より重い一撃が女の腹部に入った。
女は俺の一撃を受けて後方3メートル程吹き飛ばされて床に倒れた。
「やったか?」
「……」
強烈な一撃が入ったことで痛むせいか、あるいはこんな子供(本当は24だが)に一撃を入れられたことを恥じてるのか、その真意はわからないが彼女の動きが止まった。
彼女は無言で床に倒れたままだ。
何にしてもチャンスだ!
そう思い、再度攻撃態勢に入りワイヤーと爪で殴ろうと近づいたが、彼女は俺が近寄ると素早く起き上がり______
「甘いわ、このボケ!」
「うげっ??」
______ゴッツーン
俺の動きを先読みした彼女に首根っこを掴まれて、そのまま体を逆さまな態勢で床に落とされた。
脳天から、な……。
「痛てぇぇぇー
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