DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二十二話
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の肌の如く輝くオレンジ色の髪、金色の肌、そのそれぞれに真紅の巨剣を握った、四本の腕。
ぎ、ぎ、ぎ、とゆっくり開けられた口から、その存在は悲鳴にも似た方向を響かせた。
『ルルル……ルロォォォオオオオオ――――――――――……ン!!!』
その声は、慣れ親しんだ天宮陰斗のモノだった。
「そんな……お兄、様……お兄様ぁ!!」
刹那が崩れるようにその場に倒れ込む。それを抱き起そうとしたセモンは、不意に戦慄を感じて、想いきり後に飛ぶ。
直後、つい先ほどまでセモンが立っていた場所にシャリィィィン!! という斬撃音。
「……そのままでいれば、一刀のもとに叩ききっていたのに……」
心底残念そうにつぶやいたのは、ガラディーンだった。その事実に、セモンは瞠目する。彼女は、一切武器を持っていなかった。空中に斬撃を出現させる能力なのか……!?
不可視の斬撃と、怪物化したシャノン。両者を同時に相手取り、果たしてどのようにして勝利すればいいのか――――
「セモン」
その時だった。
コハクが、真剣な表情でセモンの袖を引っ張ったのは。
「……どうした?」
「あのガラディーンって人……私に、戦わせて」
「なっ……」
危険すぎる。《主》は言っていたではないか。彼女は、自分の次に強いと――――
「お願い!」
だが、コハクはいたって真剣な表情で、セモンに懇願を続ける。
「でも……」
「私……私、あなたの役に立ちたいの」
「コハクは十分俺の役に立って……」
「私にも、戦わせて。その間にあなた達は、シャノンの正気を取り戻してあげて。大丈夫。否定してばっかりの女になんか、負けてやらないから!」
最後は笑顔でうなずいた彼女に――――セモンも、笑顔でうなずいた。
「分かった。負けるなよ」
「ええ。大丈夫、上手くいくわ!」
それは――――セモンの口癖だった。踵を返してガラディーンへと近づいていくコハク。
「あんたの相手は私よ」
「……はぁ……」
まさか一人で挑んでくるとは思わなかったのだろうか。気の抜けた様な返事をするガラディーン。
「おいセモン、正気か……!?」
「大丈夫だ。俺は……俺はコハクを信じる! 行くぞハザード、シャノンを取り戻すんだ!!」
《冥刀・雪牙律双》を構えるセモン。それを見て、ハザードもまた、
「……分かった!」
頷いた。
「さぁさぁ、悪夢の祭りの開演だ。踊れ、小さきニンゲンたちよ」
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