たとえ今日負けても、人生は続くのさ
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下に項垂れる負傷者たちにかける言葉も見つからず、里長としての責務も忘れて神殿に向かう
あの地下神殿が顕在であれば、他国に散らばる信徒たちを焚きつけて奴らに対抗する事が出来る
早く、早くと焦りすぎたせいか、側近たちは周りから姿を消していた
しかし、早く到着する事が出来たことに安著したのも束の間のこと
信徒用に作られていた、重厚な石造りの入り口が無残にも爆破されていた
神殿関係者のみに教えられる出入り口から地下へと降りる
クナイや手裏剣、爆発や様々な術の痕跡
地下に降りるたび、その傷跡は深く、激しい戦いがあったことを知らされる
水浸しとなった大広間へとたどり着き、柄にもなく叫んだ
仮面の男が子供、いや、小柄な青年を抱き上げている
口から血を流し、青褪めながら気絶しているその青年は、まぎれもなく我が里の人柱力で??俺の唯一の甥であった
「その子を離せッ!」
仮面の男は振り返ることもなく、人柱力を連れて消えた
また、周囲にいた男たちもそれに習うかのように消えていった
負けた
完璧な敗北だった
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