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Act_1 《花の剣士》
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て見えることは無いが──をした男
その隣に並び、顔を覗き込む
アスナの呼びかけに、フードの男は答えない
一瞬だけアスナを見たが、すぐ様に視線はその後ろへと向かった

そこには、アスナの護衛する為のメンバーが数人、此方の様子を伺っている

《血盟騎士団》
中規模ながらも、錬度の高いプレイヤーの集まるSAO屈指の強力なギルドの1つ
その中で、彼女──アスナは副団長を務める有名なプレイヤーの1人だ
それだけの重要人物である彼女が、《アルゲート》のようなスラム街へ1人で足を運ぶ事は、流石のギルドが許すはずが無い
彼女を守る為、その傍らには何人かのメンバーがいつでも待機していた
アスナの護衛、と言うことになっている男──クラディールもその1人だ


そして、このフードの男も血盟騎士団の団員の1人"だった"


護衛たちを見つめるフードの男
特に、その視線はクラディールに注がれている
じっと見つめる瞳に揺るぎは無い
値踏みするように
狩人が獲物の大きさを測るように
フードの男は、その布の端から窺い知れる瞳でクラディールの目をじっと見つめていた

「今日も庭園(ガーデン)にいるの?」

ふと、重い沈黙を切り裂く声音が響く
アスナだ
何かを伺うように、だが、何処か嬉しそうに、フードの男へ問いかけた

クラディールから視線を外し、フードの男はアスナへと向き直る
その背中からは「用済み」とでも言わんばかりの興味の移り変わりが見えた

「そのつもりだ」

若い、男の声
抑揚の無い機械的な声だ
フードの奥から覗く瞳とあわせて、あまりにも不気味な佇まいに、
クラディールは刃へと一瞬手をかける

──無礼者、と切りかかるか

その考えを、クラディールは一瞬で切り捨てる
相手は"元"とは言え、騎士団で唯一《団長》であるヒースクリフの傍で刃を振るう事を許されていた男だ
実力は折り紙つきで、しかもおぞましい"逸話"までセットで付いて来る
刃に向かおうとしていた手は、やがては何事も無かったかの様に、純白のマントの中へと静かに入っていった

その様子に気付く事も無く、そっか、と素気なく返す彼女のアスナの顔に、
少しだけ影が落ちる
その表情を見て、なのか
フードの男はボロ布のようなマントから腕を伸ばし、アスナの頭に軽く置いた

ボロボロのフードとは違い、アスナへと伸びる手は色白だ
手の甲までを覆う青地の布
柔らかそうに見えて、無駄な要素を一切省いた腕のパーツ
そこにあるのは、確かに"戦う"事に特化した手だった

その手が、2、3度ぽんぽんとアスナの頭を撫で、アスナの目の前で拳を握る
少しだけ力を込めた拳が僅かに光った
アスナの鼻先で、開かれた拳から一輪の花が現れる
何処にでもあ
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