DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二十一話
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再び地上に降りてくる。
「貴殿らのその力、単純に敬服するよ。非常に愉快だった。ああ、私には貴殿らのように愛すべき弟子とでも言った者はいないのでね。実にうらやましいよ――――
ああ、妬ましい。故に奪え。我が兄の意思の儘に」
コクトとラーヴェイは、そのとき、奇妙な光景を見た。
ノイゾの髪の色が、空のそれでも海のそれでもない奇妙な紺碧から、影のそれでも、闇のそれでもない漆黒へと変貌していく様を。
真黒い意匠へと姿を変えたノイゾは、そこだけは紅蓮いままの瞳を細め、口角を上げて血のように赤い舌をのぞかせ――――
「『十九八七六五四三二一〇
いと尊き我が兄に、この誓いを捧げよう』」
絶勝の祝詞が、紡ぎだされる。
「『その昔。この世を七日で作りし神は
自らの子らがより強大な存在になることを知り
其を妬んだ。
その昔。壮麗な城砦をもつ戦神は
小人の覇王が自らより財を持つことを知り
其を羨んだ。
遥か嘗て。誰より夫を愛する女神は
その心が彼女に向いていないことを知り
向かれている者達を妬んだ。
これ即ち醜嫉の相也。
神さえその法より逃るること能わず――――
その名は《嫉妬》
――――《惟神》――――
《嫉妬》』
ずるり。
何かが、ノイゾの背後から這い出してくる。
それは、巨大な双頭の口縄。片方は白の頭。もう片方は黒の頭。翼が生え、緑色の瞳をらんらんと輝かせている。
「ああ、羨ましいぞ、貴様ら――――『故に奪え、《リリス》、《レヴィアタン》』」
一瞬で彼らの姿が見えなくなり――――
気が付いたときには、大口を開けて、頭上にいた。
喰われた、と思ったその時には。
もうこの世界に、コクト達の意識はなかった。
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