第2部 風のアルビオン
第6章 白の国
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、大陸の下半分を包んでいるでしょう?霧は雲となり、大雨を広範囲に渡ってハルケギニア大陸に雨を降らすわ」
ルイズはドヤ顔で説明した。
「知っている」
ウルキオラは呆れた声で言った。
「な、なんで知ってるのよ!」
「基礎知識だ」
そんな風に2人が話していると、鐘楼に上った見張りの船員が、大声をあげた。
「右舷上方の雲中より、船が接近してきます!」
ウルキオラは言われた方を向いた。
なるほど、船が一隻近づいてくる。
ウルキオラたちが乗り込んだ船より、一回りも大きい。
舷側に空いた穴からは、大砲が突き出ている。
「ほう、大砲があるのか」
ウルキオラはとぼけた声で言った。
ルイズが眉をひそめた。
「いやだわ。反乱勢……、貴族派の軍艦かしら」
後甲板で、ワルドと並んで操船の指揮をとっていた船長は、見張りが指差した方角を見上げた。
黒くタールが塗られた船体は、まさに戦う船を思わせた。
こちらにぴたりと20数個も並んだ砲門を向けている。
「アルビオンの貴族派か?お前たちのために荷を運んでいる船だと、教えてやれ」
見張り員は、船長の指示通りに手旗を振った。
しかし、黒い船からは何の返信もない。
副船長が駆け寄ってきて、青ざめた顔で船長に告げる。
「あの船は旗を掲げておりません!」
船長の顔も、みるみるうちに青ざめる。
「してみると、く、空賊か?」
「間違いありません!内乱の混乱に乗じて、活動が活発になっていると聞き及びますから……」
「逃げろ!取り舵いっぱい!」
船長は船を空賊から遠ざけようとした。しかし、時すでに遅し。黒船は併走し始めていた。
脅しの一発を、ウルキオラたちの乗り込んだ船の針路めがけて放った。
ぼごん!と鈍い音がして、砲弾が雲の彼方へ消えていく。
黒船のマストに、4色の旗流信号がするすると登る。
「停船命令です、船長」
船長は苦渋の決断を強いられた。
この船だって武装がないわけではない。しかし、移動式の大砲が、3門ばかり甲板に置いてあるに過ぎない。
20数門も片舷側にずらりと大砲を並べたあの船の火力からすれば、役に立たない飾りのようなものだ。
助けを求めるように、隣に立ったワルドを見つめる。
「魔法は、この船を浮かべるために打ち止めだよ。あの船に従うんだな」
ワルドは、落ち着き払った声で言った。
船長は「これで破産だ…」と呟くと、命令した。
「裏帆を打て。停船だ」
いきなり現れて大砲をぶっ放した黒船と、行き足を弱め、停船した自船の様子に怯えて、ルイズは思わずウルキオラに寄り添った。
不安そ
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