第2部 風のアルビオン
第6章 白の国
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と全く同じだった…どういうわけだ?分身の類か?)
そんな2人の元へ、ワルドが寄ってきた。
「船長の話では、ニューカッスル付近に陣を配置した王族は、攻囲されて苦戦中のようだ」
ルイズがはっとした顔になった。
「ウェールズ皇太子は?」
ワルドは首を振った。
「わからん。生きてはいるようだが……」
「どうせ、港町は全て反乱軍に押さえられているんでしょう?」
「そうだね」
「どうやって王党派と連絡を取ればいいのかしら」
「陣中突破しかあるまいな。スカボローから、ニューカッスルまでは馬で1日だ」
「反乱軍の間をすり抜けて?」
「そうだ。それしかないだろう。まあ、反乱軍も公然とトリステインの貴族に手出しはできんだろう。隙を見て、包囲線を突破し、ニューカッスルの陣へと向かう。ただ、夜の闇には気をつけないといけないがな」
ルイズは緊張した顔で頷いた。
それから尋ねる。
「そういえば、ワルド、あなたのグリフォンはどうしたの?」
ワルドは微笑んだ。
舷側から身を乗り出すと、口笛を吹いた。
下からグリフォンの羽音が聞こえてきた。
そのまま甲板に着陸して、船員たちを驚かせた。
「船ではなく、グリフォンで行けんのか?」
ウルキオラが言った。
「竜じゃないから、そんなに長い距離は飛べないのよ」
ルイズが答えた。
ウルキオラは舷側に腰掛けた。
本を読もうと思ったが、宿に置いてきたことに気づいた。
(まさかこの俺が忘れるとはな…この任務が終わったら取りに行くか)
ウルキオラはしかたなく、どこまでも透き通る空を見つめた。
船員たちの声で、空を見上げていたウルキオラは振り向いた。
「アルビオンが見えたぞ!」
鐘楼の上に立った見張りの船員が、大声をあげる。
ウルキオラはルイズに歩み寄った。
「着いたか?」
「ええ」
ルイズは空中に目を移した。
ウルキオラも目を移す。
そこには、巨大な光景が広がっていた。
雲の切れ間から、黒々と大陸が覗いていた。
大陸ははるか視界の続く限り延びている。
地表には山がそびえ、川が流れていた。
「驚いた?」
ルイズはウルキオラに言った。
「別に…本で見た」
「そ、そう…」
ルイズは少しションボリした。
「浮遊大陸アルビオン。空中を浮遊し、おもに大洋の上をさ迷う。そして、月に何度か、ハルケギニア大陸の上を来る。大きさはトリステインの国土と同等。通称『白の国』…だろう?」
「ええ、その通りよ」
ルイズは大陸を指差した。
「大河から溢れた水が、空に落ち込んでいる際、白い霧となって
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