下忍編
禁忌
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ないのか、って」
素直に答えたのは、サスケが本気で怒っていることがカカシにもわかったからだ。
それほどまでに、目に見えてサスケの怒り様は凄まじかった。
彼がこれほどまでに切れた姿など、カカシどころかカトナすら見たことがないかもしれない。
そう思わせるほどに、彼は怒っていた。ギラギラとした目が、全身でカカシをとらえ、思わず、カカシの体に力が入る。
サスケもまた、カカシが臨戦態勢に入ったのに気が付いたのだろうが、しかし、ちっと舌打ちだけをし、サスケはじっとカトナを見つめる。
弱い弱い彼女。
サスケしか、知る筈がない。
彼女がどれだけ苦しんで、恐怖と葛藤して、自身を苛んできたのかを、サスケしか知らないだろう。
それがあだとなった。
これから先、サスケがカトナの傍に居れる時間は減っていく。カトナを守ることが出来なくなっていく。
その時、カトナは、サスケがいなければ壊れてしまうだろう。
守りたいと強く思う。けれど、守りきれなくなるくらいならば、カトナが壊れてしまうくらいならば。
覚悟を決め、サスケはまっすぐにカカシを睨み付ける。
「おい、カカシ。俺が言う事を、今から一句も聞き逃すんじゃねぇぞ」
その言葉に、ただならぬ雰囲気を感じ取ったカカシが頷く。
その様子を見て、サスケはぽつぽつと語り始めた。
カトナの秘密と禁忌と、そしてその根幹を生み出した言葉を。
…
「…うそ、でしょ」
呆然とした様子で呟いて、サクラは動揺している自分の体を抱きしめる。
サスケが急に走り出したから、慌てて追いかけたサクラが壁に耳を当てたのは、少しの好奇心と心配からだったが、それは思わぬ事態をうんでいた。
カトナはただのチームメイトであり、頼れる仲間であり、どんな時でも強く折れず曲がらない忍。
それが彼女にとってのカトナだ。
だからこそ、彼女にとって、それは強い衝撃を与えた。
「カトナが、四代目の子供…?」
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