考えの模索
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「えっ?」
今桜はなんと言ったんだ?セイバーが戦えない?まさか、そんな……。
「ショックなのは分かりますが、気を落ち着かせてください」
「……ッ」
言いようのない絶望感と後悔の念に襲われる。もしこれが夢だと言うのなら早く覚めてくれ…。時間が巻き戻るなら巻き戻してくれ!
気付いた時には俺の目から涙が溢れていた。
「何を……泣いている……マスター!貴様は……この程度で動じる……のか!」
「セイバー……!」
まだ安静にしなくてはいけない体を起こすセイバー。いつもならここで恐怖しているのに今は全然恐くない。むしろ痛々しくて見ていられなかった。
「ダメですよセイバーさん!安静にしててください!」
慌てて桜がセイバーを寝かせる。
「マスター……諦めたら……承知…し……な……い」
セイバーのまぶたがゆっくりと降りていき、意識が遠のいていった。セイバーが完全に眠りに落ちたのを確認すると、桜は言いにくそうに口を開いた。
「セイバーさんが戦えないのは手首の腫れもあるんですが、他に原因があるんです……」
「……えっ?」
手首のあの怪我が大元ではないのか?じゃあ何が原因なんだ?
「セイバーさんと白羽さんを繋ぐ魔力が極端に少ないんです」
「 ……」
マスターとサーヴァントは魔力で繋がっている。マスターからサーヴァントへと魔力は供給されるのだがその量でサーヴァントの力量が左右される。俺とセイバーの場合はその繋ぐ魔力が少ないということ。つまりセイバーは最初から本調子で戦えなかったのだ。
つまりはこの原因も俺のせいだ。自分の力不足が本当に恨めしい。膝の上に
置いてあった握り拳に力が入る。
「普通ならここでしばらく安静にしていてもらうのですが、今は聖杯戦争中。こんな事は言いたくはないんですが……」
ここで桜は言葉を濁らせた。桜は俯き、表情を暗くする。彼女がこの先何を言おうとしているのはなんとなくだが察した。
彼女が言おうとしていた辺りは大体こんなものだろう。
ーーー怪我であっても決戦には出てもらう。
こんなこと俺でも言いたくない。
「いや、いいよ桜。何が言いたいかは分かった」
「……すみません」
桜が訳もなく謝る。
「桜は悪くないむしろ礼を言うよ。ありがとう」
夜、セイバーを保健室に預け、俺は一自分の人部屋に戻っていた。今日だけで色々な事が起きた。慎二のサーヴァントのことやセイバーの怪我のこと。問題が重なり、パンクしそうだ。
疲れに悲鳴を上げる体を引きずりながらベッドへと倒れこむ。
(これからどうする?セイバーは左手首を怪我してて、魔力もうまく供給されてない状態だ。そんな
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