考えの模索
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た。
どうやら俺たちに気付いたらしい。即座にエネミーは臨戦態勢に入ろうとした。が、その時は既に遅かった。セイバーはそのエネミーより早く動いていた。
バッ!とセイバーは勢い良く走り出す。そして、その勢いのまま横の壁をまるで重力でも感じないかのように上る。エネミーへと距離を詰ると、セイバーは自分の体を敵の方へと跳ね上げる。
エネミーより高く舞ったセイバーは、体をプロペラのように回転させ、真下に漂っているエネミーに剣を突き刺した。
剣はエネミーを貫いたまま床へと突き刺さる。その剣の柄の上にセイバーは器用に着地した。
相変わらず凄い戦い方だ。あんな動き普通の人間では到底真似できない。セイバーのあの動きに余韻に浸っている時だった。
「右から来るぞマスター!!」
「ッ!?」
セイバーの声に反射的に右を見た。そこには通路から俺へと攻撃を仕掛けるもう一体のエネミー。もう攻撃は数センチの所まで近づいていて、避けることなんてできない。
完璧に油断していた。何度も来ていたという慣れで、自分の周りの警戒を怠っていた。失敗だった。もうダメだ。頭の中でマイナスな言葉が巡り巡る中、今までの思い出がフラッシュバックになって蘇る。
(ああ……これが走馬灯か…)
自分の死を覚悟した時だった。
迫り来る敵の姿が1人の騎士によってその影と形を消されている所だった。
セイバーが気付いた時には敵は白羽を攻撃していた。剣を抜いている暇もなく、手ぶらの状態でギリギリ間に合うかどうかのタイミングだ。セイバーは突き刺さる剣を踏み台にし、敵エネミーの元へと加速する。
セイバーは手を伸ばす。それが故障を抱えている左手であっても…相手を確実に倒す為に魔力を込めた。
ドォン!
セイバーの伸ばした手はエネミーを貫き、そのまま壁へとめり込んだ。
「ッ!!」
瞬間、左の手首から激痛が走った。直に電流を腕に流されたように痛みが流れ、騎士と言えどもキツイものだった。セイバーは腕をゆっくりと壁から引き抜き、マスターの安否を確認する。
「マスター、無事か?」
「あ、ああ。助かったよセイバー」
ペタン、と座り込むマスターから無事だと聞いて安心するセイバーだったが、ふつふつと怒りが込み上げてきた。
「周りを徹底的に警戒しないでなにがマスターだ!」
「セイバー……?」
セイバーは主の方へと向かうと彼の胸ぐらを掴み上げ、自分のところへと引き寄せた。
「これは聖杯戦争だ!生き残りをかけた戦いだ!お前がこの戦いをどう思おうが勝手だがそれを他の誰かに巻き込むというならオレはお前を殺す!そんな奴はオレのマスターではない!」
「……ごめん」
セイバー
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