マブラヴ
0827話
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オスと同期する際に多少眩しく光るくらいだな」
「……了解した。どのみちシャドウミラーについては既にアメリカに知られているのは間違いない。多少強引だが、向こうが行動を起こすよりも前に既成事実を作っておくのに越した事は無いからな」
「アメリカとの関係は悪いのか? 俺がコンピュータでデータを見た限りでは特にそんな風には書かれていなかったが」
勿論国と国の問題である以上、完全に手を取り合って……とはいかないだろう。だが、既に人類存亡の危機と言ってもいい程に追い詰められているこの状況にも関わらず、国家間で激しくやり合うってのは……正直、交流をするかどうかが決まっていない状態では大きなマイナスだ。
そんな俺の言葉に不穏なものを感じたのだろう。クリメナの隣で俺達のやり取りを聞いていたリトラスが口を開く。
「確かにアメリカとの仲は決して良くは無いが、その理由の大部分はBETAとの戦いの後を見越した国家戦略を採っているアメリカにあると私は思っている」
「……まぁ、国としては将来を見据えるのも当然なのだろうが、今やるべき事ではないよな」
リトラスの言葉にそう言葉を返しつつも、さすがにここで一方の話だけを聞いて判断する訳にはいかない。アメリカにはアメリカの言い分もあるだろうし。
もっとも、その辺については俺よりも外交の専門家に任せるべきだろう。エザリア、あるいはレオン辺りに。
ともあれ、オーストラリア政府の考えは大体理解した。ホワイトスターとのゲートを自国内に設置して、シャドウミラーとの関係でアメリカを大きく突き放したいというのが狙いだろう。
確かにオーストラリアは世界第2位の強国ではあるが、それでも全ての面でアメリカには及ばない。ダントツのトップを走っているのがアメリカで、2位のオーストラリアは大きく遅れを取っている状態なのだから。
「うむ。勿論私達も座してそれを待つ気は無い」
呟き、クリメナはリトラスの方へと視線を向ける。
その視線に無言で頷くリトラスは、部屋の隅にある通信機を使うとどこかへと連絡を取った。
一言、二言ですぐに通信を終えたリトラスは、クリメナに無言で頷く。
「どうやらこちらの方でも準備は出来たようだ。アクセル代表が良ければ、早速そのゲートとやらを設置する作業に取り掛かって貰いたいのだが。構わないかね?」
「随分と準備がいい事だな。ああ、勿論俺はいつでもいい」
「ふふっ、それは当然だろう。君達シャドウミラーは良くも悪くもこの世界に激動を巻き起こす中心的な存在になると私は思っているし、それはオーストラリア政府、国防軍共に共通の認識なのだよ。そのような相手をこちらの都合で待たせるのは申し訳ないのでね」
ふんっ、狸め。
まぁ、外務省の副局長ともなればこの程度の腹芸当然なんだろう。
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