断罪の復讐劇
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」
そう言って金髪はボールを上に投げる。
「ふっ!」
パコンッ!と言う音と共に、先ほど全く変わらない勢いのボールが飛んできた。
「変わんねぇよボケがぁ!」
再び金髪の足元へ打ち返す、と言うことはせず、
今度は逆サイドのライン上に打ち返した。
当然とれるはずもなく、誰一人動けないままフェンスに当たった。
「0−30」
「ウソ…」
絶望した面持ちの金髪はその場に座り込んでしまった。
早すぎだろ。
「由美子!……………ここからは俺が一人でやる。良いよね」
「どーぞごじゆーに」
2対1でも勝てない相手に一人で挑むとか、
心が繋がっているとか言う最近のアットノベルスのノリなのかねぇ?
「はぁっ!」
再び再開して葉山のサーブ。
呆れるほどに直線で、なんの捻りもないノーマルサーブ。
「ほい」
俺は空高くに打ち上げる。
空には太陽。それが意味することは…
「なっ!眩……」
目潰し。俗に言う太陽拳だ。
葉山はボールの位置を見誤り、空振り。
「0−45」
「おいおい、今んとこ全部リターンエースなんだが。
やる気あんの?」
「くっ……卑怯な手を…!」
「は?卑怯?何を根拠にそんなことを言うのか。
もしかして負けたときの言い訳か?
無様だな。仮にそうでないとしても決めつけは総計だと思うがな」
「…君はこんなプレーで楽しいのか!」
「楽しい?何勘違いしてやがる。
お前、俺らが楽しんでテニスしてたとでも思ってんの?
戸塚の膝を見ろよ。盛大に転んで怪我をした。
それほどまでに真剣だったんだよ。
それをお前らと来たら…まるで自分が正しいかのように言いやがって」
「だが練習だって皆が居れば…」
「皆、皆、皆…お前はウサギか?
一人だと死ぬのかよ。
お前はテニスをするのに必要な人数知ってるか?」
「…4人だろ」
「違う、5〜8人だ。
審判2人、プレイヤーが2〜4人、判定に2人。
それだけ居ればゲームは成り立つ。
だがな、戸塚の場合は一人なんだよ。
それを皆とやらの複数人で引っ張り凧に練習?
殺す気かよ。むしろお前が死ね」
「あ………」
「そしてお前ら。
今日の2時間目の放課中、サッカー部は国立を目指していると、
そう言っていたな。
西高のサッカー部は同じように国立を目指し、
昼休みも返上して練習に勤しんでいる。
それをどうだお前らは?
人の練習邪魔して?部外者だのキモいだの罵倒して?
挙げ句の果てには皆で仲良く?
できるわけねぇだろ」
…長く喋りすぎた。
昼休みは後12分…か。
「さっさとサーブ打てよ。
お前らのせいで戸塚の練習時間が無くなる」
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