第一章
str4『星無き夜のアリア@』
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き
い、「にゃはははははっ! じょーだんだヨじょーだん。クロ君は几帳面だナ」と大爆笑されてしまった事がある。
それはともかく。
エギルとキバオウの問答は最終盤を迎えていた。
「俺は責任追及がどうこうという事ではなく、それを受けて今後俺達がどうするべきなのか、それが話し合われるものだと思っていたのだがな……」
「ぐっ……」
堂々たるエギルの意見は、表から見ても裏から見てもまっとうなものだった。キバオウも反撃ができずにいる。これがエギルではない別の人間…例えばクロス…だったら、ここで「そう言うジブンこそベータなんやろが!!」と返されていたかもしれない。
キバオウの肩に手を置いて、ディアベルが諭す。
「……キバオウさん。俺も君の言いたいことはよく分かるよ。俺だって、右も左も分からないところを、ここまで頑張ってきたわけだしさ。でも今は、エギルさんの言うとおり、元βの人たちとも……いや、だからこそ、力を合わせるべきなんだ。彼らは貴重な戦力だ。ボス戦が失敗したら元も子もないだろう?
みんなも思うところがあるかもしれないけど、今回は第一層を突破するために力を合わせてほしい! 元テスターの人たちとはどうしても一緒に戦えない、ってひとは、悪いけど抜けてもらって構わない。ボス戦ではチームワークが何より大切だからさ!」
そのセリフの最中で。
クロスは、わずかな違和感を感じた。
――――今のディアベルのセリフ。
――――もっといい手があったのではないか? 今のセリフでは、キバオウに反撃の芽を残しているように思えなくもない。この調子なら、例えば……そう、ボス戦が終わった後にでももう一度決着を付けよう、といった続きが出せるはず……
「……ええで。ここはあんさんに従ったる。でもな、ボス戦が終わったらキチンと白黒つけさせてもらうで」
想像通りに、キバオウは話題継続の意思を表示した。
――――考えすぎなのか……?
だが、どうしてもクロスにはそれが気になってしょうがなかった。まさかディアベルが仕組んだのだろうか。彼自身がβテスターだと思っていたのだが違ったのか? 彼も内面では、βテスターが憎い?
「……クロス」
「……っ!」
ふと声をかけられて隣を見ると、心配そうな顔でシャルが覗き込んできていた。
「どうしたの?」
「いや……すまん。考え事だ」
とにかくすべてはボス戦が終了してからだ。
「じゃぁ、明日の午前十時に、この広場に再集合! それじゃぁ、解散!!」
ディアベルが叫んで――――初の第一層攻略会議は、終了した。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ