暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜赤き皇が征く〜
第一章
str4『星無き夜のアリア@』
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い、「にゃはははははっ! じょーだんだヨじょーだん。クロ君は几帳面だナ」と大爆笑されてしまった事がある。

 それはともかく。

 エギルとキバオウの問答は最終盤を迎えていた。

「俺は責任追及がどうこうという事ではなく、それを受けて今後俺達がどうするべきなのか、それが話し合われるものだと思っていたのだがな……」
「ぐっ……」

 堂々たるエギルの意見は、表から見ても裏から見てもまっとうなものだった。キバオウも反撃ができずにいる。これがエギルではない別の人間…例えばクロス…だったら、ここで「そう言うジブンこそベータなんやろが!!」と返されていたかもしれない。

 キバオウの肩に手を置いて、ディアベルが諭す。

「……キバオウさん。俺も君の言いたいことはよく分かるよ。俺だって、右も左も分からないところを、ここまで頑張ってきたわけだしさ。でも今は、エギルさんの言うとおり、元βの人たちとも……いや、だからこそ、力を合わせるべきなんだ。彼らは貴重な戦力だ。ボス戦が失敗したら元も子もないだろう?
 みんなも思うところがあるかもしれないけど、今回は第一層を突破するために力を合わせてほしい! 元テスターの人たちとはどうしても一緒に戦えない、ってひとは、悪いけど抜けてもらって構わない。ボス戦ではチームワークが何より大切だからさ!」

 そのセリフの最中で。

 クロスは、わずかな違和感を感じた。

 ――――今のディアベルのセリフ。

 ――――もっといい手があったのではないか? 今のセリフでは、キバオウに反撃の芽を残しているように思えなくもない。この調子なら、例えば……そう、ボス戦が終わった後にでももう一度決着を付けよう、といった続きが出せるはず……

「……ええで。ここはあんさんに従ったる。でもな、ボス戦が終わったらキチンと白黒つけさせてもらうで」

 想像通りに、キバオウは話題継続の意思を表示した。

 ――――考えすぎなのか……?

 だが、どうしてもクロスにはそれが気になってしょうがなかった。まさかディアベルが仕組んだのだろうか。彼自身がβテスターだと思っていたのだが違ったのか? 彼も内面では、βテスターが憎い? 
 
「……クロス」
「……っ!」

 ふと声をかけられて隣を見ると、心配そうな顔でシャルが覗き込んできていた。

「どうしたの?」
「いや……すまん。考え事だ」

 とにかくすべてはボス戦が終了してからだ。

「じゃぁ、明日の午前十時に、この広場に再集合! それじゃぁ、解散!!」

 ディアベルが叫んで――――初の第一層攻略会議は、終了した。
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