暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜赤き皇が征く〜
第一章
str4『星無き夜のアリア@』
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いうことも一理あるか、などと、素直にクロスは思ってしまう。

 そうこうしているうちに、いつの間にかほかのパーティーたちも準備が終了したようだった。

「よし、みんな組み終わったかな。じゃぁそろそろ――――」

 ディアベルがパンパンと手を打ち鳴らして、次の話題に移そうとする。

 ――――その時。

「ちょぉまってんか、ナイトはん!!」

 低い、罅割れた声が響いた。

 プレイヤー達の波が割れて、その中から一人の青年が勢いよく飛び出してくる。

 年齢は二十代半ばほどか。まるでモーニングスターのような形の、茶色のサボテン頭で、体中を鱗鎧(スケイルメイル)で覆っている。武器は片手剣だろうか。まぁ、片手剣はオーソドックスかつ万能なので、使い手が多いのもうなずける話なのだが。

 とにかくその男は、ディアベルの方へと近づくと、くるりとプレイヤー達の方を向いて叫んだ。

「ワイはキバオウって(もん)や。こん中に、五人か十人、ワビぃ入れなあかん奴がおるはずや! そいつらからそれを聞かん限りは、仲間ごっこはできへんな!」
「詫び? 誰にだい?」
「決まっとるやないか!! 今まで死んでいった二千人にや!!」

 キバオウ、と名乗った男は、だみ声で騒ぎ立てる。
 
「こんクソゲームが始まった時に、β上がりどもはダッシュで《はじまりの街》から逃げよった。右も左もわからん九千人のビギナーを見捨てて、な。
 奴等はウマイ狩場やらなんやらの情報を独り占めして、自分らだけぽんぽん強うなって、その後もずーっと知らんぷりや。
 こんなかにもおるはずやで。β上がりやっちゅうこと隠して仲間に入れてもらおうと思うとる奴等が!
 そいつらに土下座さしてアイテムやら金やら全部吐き出させんと、ワイは自分の命をそいつらに預けられへんし、預かれんと言うとるのや」

 キバオウの言い分は、ある意味では正しいだろう。βテスター達が新規参入のプレイヤー達全てを導き、統率していれば、彼らをもっと纏めることができて、死者も減ったかもしれない。

 だが……ある意味では仕方がなかった、としか言いようがない。この世界で生きていく為には、力がいるのだ。クロス自身、そう感じて今日まで生きてきた。βテスター達は己が生きていく為に精一杯で、新規参入のプレイヤーたちに手が回らなかったのだ。

 だが、ならばなぜもっと穏便に事を進めないのか。

 それに――――

「発言、いいか」

 その時だった。

 最前列に座っていた、ガタイのいい斧使いの一団、そのリーダーとおぼしき男が、重厚なバリトンを響かせたのは。

 立ち上がったその男は、想像以上に巨大だった。人種からして日本人ではないだろう。SAOでカスタム可能な数少ない要素である髪
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