暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜赤き皇が征く〜
第一章
str4『星無き夜のアリア@』
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ているし、運さえよければ(募集枠はたったの千人だったが)重度のゲーム中毒者でなくても成れた。その中にはクロスのようにそもそもRPG初心者である存在すらいたのだから、不思議はあるまい。

 どちらにしろ――――今はあまり関係ない。突き止めたくなってしまうが、割り込んでいくわけにはいかないだろう。
 
 一応は思考の隅にその疑問を置いて、広場の喧騒に耳を傾け直すと、丁度「本当は《勇者》って言いてーんだろー!」などと言ったやじが飛ぶところだった。

 だがその笑いも、ディアベルが片手を上げて制したことで収まる。

 それを確認した彼が、少し厳しい表情をとり――――

「今日、俺達のパーティーが、ボスの部屋を発見した」

 その瞬間、おお……といったようなざわめきが、プレイヤー達の間に広がった。クロス達も同行したのだが、その話は伏せておくようだ。まぁ、自分たちだけでやった、と言った方が聞こえがいいのは常識なので分かるが。

 ――――なるほど。なかなか計算高い人間らしい。

 クロスは内心でディアベルの事をそう評価する。

「一応偵察してきたところ、ボスの名前は《イルファング・ザ・コボルドロード》。武器は大形のハルバード。取り巻きに《ルイン・コボルド・センチネル》が三体。
 一か月――――ここまで来るまでに、一か月かかった。だけど俺達は、示さなくちゃならない。いつかこの城を攻略できて、SAOから脱出できるんだってことを、《はじまりの街》で待っている人たちに伝えなくちゃならない。それが俺達、トッププレイヤーの義務なんだ!
 そうだろ、みんな!!」

 おう! と言ったような叫び声がプレイヤー達の間から次々と上がる。なんとなくだが、士気が上がってきているのを感じた。

 あのディアベルという青年――――俗に言う、『典型的な指導者タイプ』なのだろう。場を盛り上げ、コントロールする術に長けているのだ。

「なんか……いい気分はしないわ。操られてるみたいで」

 隣に座るシャルにそのことを話すと、彼女は顔をしかめてそう言った。なるほど、そう言う見方もあるのか――――と、新しい知識を手に入れたことを内心で喜ぶ。まぁ、クロスなりに、なので、実施際のところそれほど感情の起伏があったわけではないが。

「それじゃぁ、そろそろ攻略会議を始めさせてもらう。まずは近くにいる人とパーティーを組んでみてくれ!」

 ふむ、とクロスは呟く。この場にいるプレイヤー達は、全部で四十六人。六人(フル)パーティーを七つと、四人パーティーが一つ、もしくは六人組が六つと、五人組が二つ……と、思っていたのだが。

 周囲のプレイヤー達は仲間同士で固まっていたようで、いつの間にやら六人組七つができあがってしまっていた。

 クロスは対人が
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