赤と青、そして紫
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目前で餌をとられた獣のそれに近い目だった。
その眼は、テイルレッドに何時もの変態共に近寄られるような気持ち悪さから来る恐怖では無く、殺されるかもしれないという本能からの恐怖を叩きつけてくる。ブルーも平気では無いのか、眉をしかめていた。
「……取引で答えてもらうわよ。あなたが何者なのか、何を目的としてるのか」
「それ、食べるからちょうだい」
「欲しかったら答えなさいって言ってるのよ」
「……ホントにくれる?」
「答えてくれたらね」
「むぅ……うん、わかった」
とことん『食』に忠実なのかグラトニーは大人しく頷き、自身の目的を素直に口にした。
「自分の目的、食べる事。生きる為に、食べる事、それだけ」
「本当は?」
「本当は食べる事」
「……目的が獣のそれね。まあ、下手な作戦よりはよほど説得力があるけど」
先程の食欲を覚えていたか、ブルーは一先ずこの場ではその発言を信じる事にした。グラトニーの涎がポタポタから徐々にダラダラになり始めたのを見て、飛びかかって来ないうちにとテイルブルーは次の質問をする。
「次の質問よ、あんたは何者なの?」
「自分、グラトニー。それ以外何も無い」
「いやそうじゃなくて……私達と同じ人間? それともエレメリアン?」
「自分……自分は――――」
そこで一旦涎を啜り、グラトニーは隠す様子も無く言い切った。
「エレメリアン、自分はエレメリアン」
「! ま、マジか……!?」
「マジ」
「なるほどね……そうじゃないかと薄々思ってはいたけれど」
今の質問で悲鳴が上がるかとも思ったが、ギャラリーは未だ見続けているだけである。実はアルティメギルという単語の方が周知の事実で、エレメリアンという呼称は普及していないどころか知らない人が大多数なのだ。
しかし、テイルレッド達にとっては予想していた事が事実であった為に、余計に警戒しなければいけなくなった。
テイルレッドもテイルブルーもしかと柄を握りしめ、ブルーは最後の質問をぶつけた。
「ラストよ……アナタは人間の属性力を食べるの?」
その質問で、ようやく目の前に居る少女・グラトニーがどんな存在かを理解したらしく、ギャラリーが段々と引け腰になっていく。だが、属性力という単語のお陰で緩和はされたようで、それが段々と何時もアルティメギルの奴等が狙ってくるツインテールがどうのこうのという件と関係あるのではないかと分かると、再び前に出てきた。
しかし、テイルレッドも今はそんな所に興味は無く、テイルブルーが出した質問の答えが肯定か否定か分かる瞬間を、喉を鳴らし待っている。
そしてグ
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