暁 〜小説投稿サイト〜
寄生捕喰者とツインテール
赤と青、そして紫
[6/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
錯覚するタイミングで紫色の少女は呟く。

 ビクッとして四者とも綺麗に止まり、ギャラリーは初名乗りを上げた新たな戦士に興味津々で、状況と心の中こそ違えど次の言葉を待っている。

 やがて数秒とも数分とも取れる時間が流れ、少女は再び口を開いた。



「自分、名前、自分……名前は、“グラトニー”」


「グ、グラトニー? テイルグラトニー?」
「語感は何となくいいけど、パープルとかバイオレットじゃないの?」
「えっと、グラトニーって確か……なんだっけ?」


「あの、ブルー、お前意味知ってる? それとも普通に人の名前か?」
「そんな訳無いでしょ。グラトニーって言うのは英語で“大食い”って言葉よ」

『または“七つの大罪”とも言われる罪の内一つ、“暴食”を意味する単語でもあります。今はそうでは無いみたいですけど、餌と見れば遠慮無く喰らいつく彼女にぴったりでしょうね』

「あんたにも似合いそうね。普段大概そんな感じだし」

『失礼な! 総二様以外には喰らいつきませんよ! ビッチじゃあるまいし愛香さんみたいな!』

「そーじには思考ゼロで飛びかかるでしょうが! というかあたしは違うわよ! 勝手に決めんな!」
「や、やっぱり普通じゃあないのか……!」



 予想外の名前にギャラリーは戸惑い、テイルレッドもブルーとトゥアールから説明を受けて(説明外の会話で)少しばかり震える。

 だが紫色の少女・グラトニーは表情を気だるそうなモノから変えないまま、一番初めにテイルグラトニーと称した男性の方へ顔を向ける。



「え? な、なんですか?」
「テイル……テイルはいらない、自分はグラトニー。その前も後も無い、ただの“グラトニー”」
「あ、そうですか」



 それだけ言うと顔を戻し、肩の力を抜いて再びポヤーっとし始めた。ゆったりした動きで腕と乳がブラブラ揺れ、ある意味でギャラリーの注目を集めている。……特に乳が。



「見せつけてんじゃないわよアイツっ……!! レッド! この怒りはあいつらで晴らすわよ!!」
「おう!! ……ん? い、いやいや俺まで含めんなって!? ノリで返事しちまったけど俺は違うって!?」
「そうね、あいつ等を倒したらあの子……グラトニーも十発は殴るわ!」
「そういう事でも無いっての!! 世間での人気を気にしてんならもうちょっと抑えようって!?」



 身内で言い合っているツインテイルズと、未だに虚空へ体ごと向けているグラトニーを見ながら、トタスギルディはかなり満足そうに頷いて、次にチキンギルディが声高に言い放った。



「よかろう、しかと覚えたぞ捕食者たる少女・グラトニーよ! お前の相手は私、チキンギルディがする!! 盟友ホークギルディ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ