赤と青、そして紫
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錯覚するタイミングで紫色の少女は呟く。
ビクッとして四者とも綺麗に止まり、ギャラリーは初名乗りを上げた新たな戦士に興味津々で、状況と心の中こそ違えど次の言葉を待っている。
やがて数秒とも数分とも取れる時間が流れ、少女は再び口を開いた。
「自分、名前、自分……名前は、“グラトニー”」
「グ、グラトニー? テイルグラトニー?」
「語感は何となくいいけど、パープルとかバイオレットじゃないの?」
「えっと、グラトニーって確か……なんだっけ?」
「あの、ブルー、お前意味知ってる? それとも普通に人の名前か?」
「そんな訳無いでしょ。グラトニーって言うのは英語で“大食い”って言葉よ」
『または“七つの大罪”とも言われる罪の内一つ、“暴食”を意味する単語でもあります。今はそうでは無いみたいですけど、餌と見れば遠慮無く喰らいつく彼女にぴったりでしょうね』
「あんたにも似合いそうね。普段大概そんな感じだし」
『失礼な! 総二様以外には喰らいつきませんよ! ビッチじゃあるまいし愛香さんみたいな!』
「そーじには思考ゼロで飛びかかるでしょうが! というかあたしは違うわよ! 勝手に決めんな!」
「や、やっぱり普通じゃあないのか……!」
予想外の名前にギャラリーは戸惑い、テイルレッドもブルーとトゥアールから説明を受けて(説明外の会話で)少しばかり震える。
だが紫色の少女・グラトニーは表情を気だるそうなモノから変えないまま、一番初めにテイルグラトニーと称した男性の方へ顔を向ける。
「え? な、なんですか?」
「テイル……テイルはいらない、自分はグラトニー。その前も後も無い、ただの“グラトニー”」
「あ、そうですか」
それだけ言うと顔を戻し、肩の力を抜いて再びポヤーっとし始めた。ゆったりした動きで腕と乳がブラブラ揺れ、ある意味でギャラリーの注目を集めている。……特に乳が。
「見せつけてんじゃないわよアイツっ……!! レッド! この怒りはあいつらで晴らすわよ!!」
「おう!! ……ん? い、いやいや俺まで含めんなって!? ノリで返事しちまったけど俺は違うって!?」
「そうね、あいつ等を倒したらあの子……グラトニーも十発は殴るわ!」
「そういう事でも無いっての!! 世間での人気を気にしてんならもうちょっと抑えようって!?」
身内で言い合っているツインテイルズと、未だに虚空へ体ごと向けているグラトニーを見ながら、トタスギルディはかなり満足そうに頷いて、次にチキンギルディが声高に言い放った。
「よかろう、しかと覚えたぞ捕食者たる少女・グラトニーよ! お前の相手は私、チキンギルディがする!! 盟友ホークギルディ
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