赤と青、そして紫
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遡ること十数分前。
マスコット……もとい正義のヒロイン・テイルレッドこと総二と、同じく正義の味方なのに蛮族と称されているテイルブルーこと津辺は、教室にて昼食をとっていた。
「んぅ〜……」
「だからやめろってんだろ!!」
「うごっ!」
「……ホント、何で懲りないのかしら……?」
テイルレッドの待ちうけにキスをしようとしたクラスメイトへマグカップを投げつけ(実はこのやり取りは三回目)制止させて、口論とも言えない微妙な会話の後で、疲れた溜息を吐いて総二は席に座り食事を再開する。
……現実的な話をすると、携帯電話は公衆便所よりも菌が居るといわれるキーボードに勝るとも劣らない程の菌の巣窟なので、日常的に洗浄している手は兎も角、物を食べ空気を吸う口などは触れさせない方が賢明である……どうしてもやりたい方は自己責任でどうぞ。
席へ座っても暫く嫌悪感がとれなかったか、深呼吸を数回繰り返してようやく落ち着きを取り戻してから、総二はミートボールを口へ放り込んだ。その時、ちょっと腰の位置を変えた時に何かが当たったのを感じ、それである事を思い出してポケットから取り出す。
「そういや……トゥアールからこれをもらってたんだったか」
「ああ、簡易的なワープ装置ね。でも往復一回しか使えないし、あらかじめ設定していた場所にしか飛べないしで、失敗作なんでしょ?」
「試してみろとは言われたけれど、大丈夫なんだろうか」
「止めた方がいいと思うわよ、どうせ私はジャングルとかサバンナとかに放り出されて、そーじは家に飛ぶだけだし」
「……そうならないと言いきれないのが怖いな……」
トゥアールが要所要所で総二へ対して変態行為に走ろうとし、それを津辺が止めようとして暴力をふるうというお決まりの―――それがお決まりになっている時点で中々に恐ろしいが―――やり取りのほかに、もう一つ津辺が暴力を振るう原因となっている物がある。
それが、津辺へのあからさまな嫌がらせや馬鹿にした言葉の数々、である。
どうもトゥアールは自分の目的行使の為に津辺が邪魔なようで、一見気遣っているようでいて実は帰って欲しいだけという内容の言葉、睡眠薬や無駄に発達した科学技術による物理的な妨害を、それこそ日常茶飯事行ってくるのである。
その度に振るわれる津辺の技も、摩擦で削ろうとしたり豊満な胸を捩じり切ろうとするなど中々にエグかったりはするが、半分以上はトゥアールの自業自得だったりするので、実際にはどっちが悪いのだとはっきりは言えない所だ。
まあ、最初は二人ともそれなりにマイルドだったが、回数を追うごとに段々過激になっていくので、総二がそうはならないと言いきれないのも仕方が無い。
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