第200話 赤の妖精と水色の妖精
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・・この中に、私と同じ考えを持つ方は剣を抜いて下さい!」
一瞬、辺りが静寂に包まれた。
新人兵士の言葉に、多くの兵士達は目付きを鋭くし、意を決すると、腰に装着している鞘から剣を抜いた。
兵8「新人に目を覚まされるとは・・・先輩として、情けねェぜ。」
兵9「全くだ。」
兵10「やってやろうじゃねーかっ!」
兵11「命が尽きるまで、思う存分足掻いてやる!」
兵士達はお互い顔を見合わせ、固く握り締めた拳をぶつけ合った。剣を抜かなかった兵士は、誰一人として存在しなかった。
1人の兵士が月明かりに照らされた剣を頭上に高々と掲げた。
兵12「もう迷いも、恐れもない!己の全てを強さに変えろ!その強さを、命の灯火が燃え尽きるまで討て!」
兵全「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」
腕を、剣を振り上げ、兵士達が悪魔に向かって突撃しようとしたその時だった。兵士達の行く手を紅蓮の炎が阻んだ。
兵13「うわァア!」
兵14「な、何だ何だっ!?」
兵15「ほ・・炎が、なぜ・・・!?」
兵16「あの悪魔は、炎も出せるのかァ!?」
兵士達は炎から遠ざかる。
目を凝らしてよく見ると、炎の中で黒い人影が動いている。
兵17「誰かいるぞっ!」
兵18「敵かっ!?」
兵19「いや違う。あれは・・・!」
炎の中から姿を現したのは、ゆらゆらと揺らめく炎のような赤髪に、なぜか裸足の妖精が1人―――――。
兵20「フ、フレイ様ァ!?」
兵21「なぜここにっ!?」
フ「いいからいいから、まずは後ろに下がってくれ。」
目を見開いて驚嘆の声を上げる兵士達とは対照的に、フレイは肩越しから背後で暴れ回っている悪魔を睨み付けながら、突撃しようとした兵士達を後ろに下がらせた。
フ「自らの命を捨ててまで、悪魔を倒そうとしてくれた事には、妖精の尻尾を代表として礼を言わせて貰うぜ。ありがとうなっ。」
白い歯を見せながらフレイは兵士達に礼を言った。
まさか、常に問題山積みで超ブッ飛んでいる、フィオーレ一の魔道士ギルドの魔道士から礼を言われるとは思っていなかった兵士達は目をパチクリさせる事しか出来なかった。
フ「でもな、いくら街や命、平和を守る為だからと言って、こんなにたくさんの命を犠牲にする事は出来ねェんだ。あの悪魔の事は俺に任せて、お前等は安全な場所に避難してくれ。」
フレイの言葉に、兵士達は目を見開いた。
兵22「そ・・そんな事、出来ません!」
兵23「いくらフィオーレ一の魔道士ギルドの魔道士だからと言って、あんな凶暴な悪魔相手に1人で立ち向かうなんて・・・敵う訳ありません!」
兵23
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