第8話 ジョアンナの哀れな宿命
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。
それは議員や大統領も同じだった。
「シンクレアよ、貴様は我が分身のアイアンズ軍曹を改造し利用し、ステンズ提督を狙撃した。そして、フォード・ブロディ少尉に濡れ衣を着せた。お前は間違っているぞ。なぜ、人間が人間を欺くのだ。なぜ、善意あるものが善意あるものを狙撃するのだ。」
シンクレアは目を泳がせた。
バレた。
しかも、最悪の形でバレてしまった。
今、この映像は恐らくネットやTVで生中継されているだろう。
当然、このことをサムたちも、そしてフォードもみていた。
サムは車に搭載されたテレビをつけて、それをゴードンたちとみていた。
フォードは、それを基地の内部からヒオやジョアンナとともにみていた。
ビビアンはGフォース基地で医務室にいえるダニエルとみていた。
クラウンはニッと邪悪な微笑みを浮かべながら精神病院の遊戯室でみていた。
フォードの濡れ衣は晴れた。
だが、最悪なことに新しい脅威がでてきた。
ガイガンだ。
「人類諸君よ、つまりこういうことだ。彼のように強すぎる秩序を求めるあまり、人類は他者を傷つけ蔑み殺してしまう。そんな秩序に何の意味がある?何の意味もない。だが、時に混沌とした正義を掲げて他者を傷つけることもある。これらは所詮同じといえる。つまりは、君たちは所詮同類なのだ。」
ガイガンは続けた。
その様子はTVやネットで中継されていた。
海を越え、日本でもその様子は配信され生中継されていた。
「その反面、己の利己的な野心や保身のために他者を傷つけるものもいるな。そう貴様らマスコミやそこにいるモナーク社員どもがそうだ。人類とは汚れた罪なのだ。罪には罰がいる。」
ガイガンは目を赤く光らせた。
その様子をカメラは一気にうつした。
シンクレアはその罰を受けるように、静かに目を閉じた。
エラリー・ワシントンはその場から逃げようとした。
やがて、赤い光は彼らを包み込んだ。
その光はTVやネットにも広がった、そして次の瞬間砂嵐がすべてを包んだ。
まるで、核の炎がすべてを焼くようだった。
だが、それに続くように一つの声が聞こえた。
「人類よ、殺されたくなければ今すぐ自殺しろ。48時間後、世界中に総攻撃を開始する。」
フォードは茫然としていた。
自分は無実になった。
だが、彼は同時に敵が増えた。
「んぐあああああああああああああああああっ!!!!」
悲鳴だ。
フォードは振り返った。
そこにはジョアンナが悲鳴をあげ、悶絶しながら地面に倒れていた。
「軍曹!」
「来るな、フォード!逃げろ!私の中に奴が侵入し始めた。」
ジョアンナは顔をあげた。
眼は赤く光っていた。
あの時と一緒だ
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