第8話 ジョアンナの哀れな宿命
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したドローンをバックにガイガンがやってきた。
ガイガンは空き地に着地すると、その赤い目を輝かした。
「さあ、みなさん。新しい正義の守りてに挨拶をしましょう!こんにちわ!ガイガン!」
ガイガンは赤い目を輝かせると記者たちのほうに顔を向けた。
記者たちはその姿をみると息を呑んだ。
彼らは怯えていた。
身長150mある、新しい秩序の番人に。
シンクレアは冷や汗をかきつつも、バッジについた無線越しに伝えた。
「出てこい、挨拶をしろジョアンナ。」
だが、ガイガンはピクリとも動かなかった。
シンクレアは焦った。
おかしい!
こんなはずじゃない!
予定なら、あそこでジョアンナがでてくる!
そして、記者たちに笑顔でこういうのだ。
『こんにちは、みなさん』と。
だが、ジョアンナは出てこない。
それどころかガイガンは動かない。
「どうした、応答しろ。」
バックにいたエラリー・ワシントン大統領は首を傾げながらシンクレアに聞いた。
「えっ、どういうこと?」
大統領に怒りの顔を向けると、シンクレアは答えた。
「黙れ、今それどころではない。」
大統領を一喝すると、シンクレアは無線越しにいるはずのないジョアンナに応答を求めた。
まるで、その姿は怯えた子供のようだった。
額に汗をかき、相当の範囲外に怯えながらシンクレアは必死に無線で伝えた。
「ジョアンナ、どうした!でてこい!」
すると、ガイガンは目を赤く光らせると口を大きく開いた。
まるで、シンクレアに応答するかのようだった。
ガイガンのタカのような嘴は大きく開くと、その場にいる全員を怯えさせた。
「黙れ、シンクレア!貴様はもう用済みだ!」
ガイガンの口から野太く勇ましい男の声が聞こえた。
シンクレアは焦った。
あんな機能はガイガンにはない。
そのはずだ。
「シンクレアよ、貴様はどこまでもおろかな奴だ。どんな強制的な秩序を作っても人間は反抗し混沌を生み出すのみだ!」
シンクレアは何も言い出せなかった。
何も言い返せなかった。
まるで濡れた犬のようにガイガンをみつめた。
「人間どもよ、私はガイガン!私こそ真実の秩序だ!」
そこにいた記者の一人が勇敢にもガイガンに聞いてみた。
その足は震えていた。
だが、記者は勇気を振り絞った。
「あなたの目的は?」
すると、ガイガンは答えた。
「私は世界を守るために、人類を殺す!人類こそがこの世界のパワーバランスを乱す悪しき『怪獣』なのだ!私は人類を滅ぼし、世界を正しい方向にたて直す!」
記者たちは茫然としていた。
目の前に起きたことが理解できなかった
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