第8話 ジョアンナの哀れな宿命
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した。
彼女はジョアンナの考えていることが理解できなかった。
フォードもそれはわかっていた、だが彼には「うれしい」という気持ちのほうが強くあった。
「俺、結婚したんですよ軍曹。」
フォードの言葉を聞くと、ジョアンナは顔をあげた。
その表情は少し寂しそうだった。
フォードも彼女を意識していたが、ジョアンナにとってもそれはある種同じともいえた。
他の新兵にはない、ガッツや勇気がフォードにはあった。
「じゃあ、奥さんが一番好きなんだな。」
「子供もいるから。」
「フォード、その発言は戦場で死ぬ奴の言うセリフだぞ。」
ジョアンナは少し笑いながら彼を茶化すような言葉を吐いた。
それは、彼にだけみせる優しいジョアンナ・アイアンズ軍曹そのものだった。
「そういえば、私よりも階級が上だったよね。」
「そんな階級なんて。」
「お前はいつまでたっても18歳の餓鬼だしね。」
ジョアンナはそういうと微笑んだ。
フォードは警備兵の服に着替えると、素早く留置室から出てきた。
明るい光がフォードにとっては新鮮なものにみえた。
すると、フォードとジョアンナの顔は軍人の物に戻って行った。
フォードは背後を警戒した。
ジョアンナは前を鋭く睨みつけた。
「なぜ、裏切ったんです?」
フォードは聞いた。
彼女には山ほど聞きたいことがあったからだ。
「お前にあった時、凄い電撃が走った。脳味噌はまだ8割は残ってるからそこの記憶をつかさどる回路が働いたんだと思う。」
フォードは嬉しそうにほほ笑んだ。
かつて尊敬し愛した女性とともに戦えるんだ。
そう感じると心の奥底からうれしく感じた。
だが、ヒオは逆だった。
未だにジョアンナという女性が理解できなかった。
思考が読めなかった。
恐らく、シンクレアのことだろうからこういう事に対する防護策を考えていたんだろうとヒオは考えてみた。
「他の警備兵たちは?」
「ほぼ全員倒した、シンクレアは今政府重役やモナーク社の重役たちと話をしている。ドローンとガイガンを使い世界を恐怖で支配する気だ。」
そういうとジョアンナとフォードは二人そろって基地の外へと飛び出そうとしていた。
すると、ヒオは何かを感じた。
とても強い、何かだった。
その何かは上空を飛んでいるようにみえた。
この感覚は、過去に一度感じた。
それはゴジラの意識だった。
だが、ゴジラではないようにみえた。
彼女はフォードには黙って、その意識を追おうとした。
一方、シンクレア上院議員はワシントンのホワイトハウス前で演説をしていた。
脇にはアメリカ初の女性大統領である、エラリー・ワシントン
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