第8話 ジョアンナの哀れな宿命
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ョアンナは新兵の頭にそっと自分の唇を重ねた。
「これはご褒美、勝ったらもっと良い事したげる。」
そういうと彼女は医務室から姿を消した。
フォードは自分の頭に残った感触を指で確かめると、微笑みながら眠っていった。
そして、現代。
フォードは当時とは違う方法で、彼女に気絶されて連れてこられた。
ふと、闇の中にいてすっかり眠っていた彼の前に明るい光がさしこんだ。
彼は目を開けた。
シンクレア議員か?
それとも、兄のサムと仲間たちか?
残念ながら、あるいは幸運か、違った。
そこにいたのは赤い光だった。
そして、きしむ機械音だった。
フォードはわかった、ジョアンナ軍曹だ。
彼女が自分を殺しに来たんだ。
「軍曹・・・・。」
フォードはそう思わず言った。
すると、ジョアンナは義目ではない右目を動かした。
そして、ぎこちなく唇がVの方向に向き、微笑んだ。
「久しぶりだな、ブロディ。」
間違いなく彼女だった。
彼女自身の意識が戻ったようだ。
フォードは心底うれしく感じた。
だが、と同時にフォードは悲しく感じていた。
彼女の声には半分機械音があった。
まるで、それは喉を火傷でけがした人間のようだった。
「軍曹。」
そのあとに続く言葉は「変わってしまった。」だった。
だが、フォードはこらえた。
ふと、隠れていたヒオが姿をみせた。
フォードの命令で、いざというときは隠れろという指示だった。
彼女は何が起きてるか、理解できなかった。
ジョアンナは磔にされているフォードの体をみて、ふと彼の下半身に目がいった。
「成長したな、充分に。」
フォードはジョアンナの視線の先が自分の下半身であることに気づくと思わず赤面した。
恥ずかしい。
こんな姿にされてることも、何よりも初恋の女性でもあった彼女にみられていることが恥ずかしい。
すると、ジョアンナはフォードの両手両足を縛り付けてる鎖を引きはがした。
フォードは解放されたことに心底喜びを感じながら、ベッドから身を乗り出した。
「誰かから服をとってきてあげる。」
すると、彼女は気絶している警備兵の服を脱がせるとフォードに差し出した。
パンツ、制服、さらには銃まで彼女は差し出した。
フォードは心の奥底から軍曹が戻ってきたことをうれしく感じた。
「フォード、気をつけて。もしかしたら騙されてるかもしれない。」
「なぜ、そう感じるんだ?」
「あいつの心が読めないから、思考回路がわかんないから何をしでかすか危険だよ。」
「わかってる。」
ヒオは彼女らしくなく深刻な表情で、合理的な忠告を
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