神風と流星
Chapter1:始まりの風
Data.10 四人パーティー
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もねえ奴だぞ?そんな奴とパーティなんて組んだら――――」
「でもあの子強いよ?たぶんだけど、技の正確さならルリくんと同レベルじゃないかな?」
「……マジで?」
自慢だが、俺の攻撃の正確さは三本のナイフをすべて正確に同じ軌道で、しかも馬鹿でかいドラゴンの小さな目を狙えるくらいにはいい。
その俺と同レベルということは、通常の雑魚Mobへの攻撃はほぼ全弾クリティカル叩き出せるくらいだ。つまりかなり凄い。
「うーん……でも、何でお前があいつの強さなんて知ってるんだ?」
「だって何回かダンジョンで見かけたし」
「……そんな素振り昨日は見せなかったよな?」
「あっちは気付いてさえいなかっただろうからね。知らない振りしてた方が楽かと思って」
こいつ、バカだバカだと思っていたが、もしかしたら頭いいのかもしれない。
「じゃあ三人目はあいつにするか……」
「うん。じゃあ声かけてくるねっ!」
シズクはそう言って向こうに駆け出していった。まあコミュ力高いあいつなら大丈夫だろう。さて、俺はもう一つの問題を片付けるか。
「で、さっきから恨みがましい目で睨んできているキリトくん。何の用かな?」
「……爆発しろ」
「キリトはソロでやるのか!流石だなあ!」
「うわああああああああ!!!!!!!じょ、ジョークだから!頼むからお前のパーティに入れてくれ!」
俺に逆らおうなどとは千年早い。
「……はあ。ったく、仕方ねえなあ」
「流石ルリ!天才!最強!美少女!」
「ははは、そんなに褒めるな……って、あれ?何か一つおかしかったような……」
「気のせいだ気のせい!ほら、そんなことより早くパーティ申請しちゃおうぜ!」
むう。上手く誤魔化されたような気もするが、まあいいだろう。
その後シズクも女剣士の勧誘に成功したらしく、これで俺たちのパーティは四人になった。
それとこのフードを被った女剣士の名前だが……どうやらアスナというらしい。パーティに加わった時点で視界の右上端のHPバーに表示されたのだが、本人はそのことを知らないようで(パーティを組んだのは初めてのようだ)、普通に自己紹介していた。
そんなパーティ結成後も、たった四人しかいないから雑魚散らしの手伝いなんて役割を押し付けられたりしてアスナがキレそうになったりとなんやかんやあったが、何とか無事に会議は終わった。
「それじゃルリ、シズク。また明日な」
「じゃあね、シズクちゃん、ルリちゃ――――くん」
アスナが一瞬『〜ちゃん』と言いそうになったが、言わなかったのでセーフとしよう。
あの二人はこれから連れだってどこかに行くらしく、ここで別れた。で、俺達はと言うと―――
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