第19話 幽霊なんかよりも中国の方がよっぽど怖いというのは 偏見ではないはずだ
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てんだぞ!??
″防刃堅鋼《ソリッドメタル》″は対斬撃に特化している。
更に単純な硬度も高く、かなりの防御力も兼ね備えている。
雨はバッタの″鎧人″である。
脚力の特化したその昆虫の一蹴りは
人間大であれば数階のビルをゆうに飛び越すらしい。
ここでは力を使う者の覚悟の差が、戦いに大きく影響する。
?クソッ、だがもう片方あるぜ!!?
もう片方の鎌を雨に向かい、振りかざそうとした。しかし――――――
「遅いです」
スタンッ
雨はすでに鎌の上に着地していた。
?何ッ!?こんの‥‥‥‥‥降りやがれ!!?
カマキリ型は鎌が壊れているので足で雨を掴もうとした。しかし、足は全く動かなかった。
?何でだクソッ! ハッ!?
カマキリ型の両足は凍りついた地面に完全に張り付いていた。
「バレない程度にゆっくりと凍らせてたのさ。
芯まで完全に凍ってるから、どうしようもないぜ?」
リオさんはこういうときにカッコイイのだ。
「さすがリオさん!ただの寝坊男じゃねぇな!」
「それって褒めてる?」
?このクソ野郎ォ共がァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!?
ディーンは怒りのあまり叫んだ。
「クソ野郎はあなたです!!」
雨は不安定なカマキリ型の腕の上を走って来ていた。
「私たちの知ってる豪さんを‥‥‥‥‥‥‥返してくださいッ!!」
雨はカマキリ型の胸付近で立ち止まった。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
彼女は掌をカマキリ型の胸に向かって突き出した。
パンッ!!
「劈拳《へきけん》ッッ!!!!」
ビキキッッ!!
カマキリ型の身体に亀裂が走った。
「ゴブッ!!」
?ガハッ!!?
カマキリ型はあまりの衝撃に口から体液を吐き出した。
ディーンは豪の中から苦しそうな声を上げた。
――劈拳《へきけん》――――――――
中国の拳法、形意拳の技の一つ。五行の金を表す。
習うときは五行の内の最初に行う技である。
素人でも分かるように簡潔に説明すると
少し腰を落として、右足を出し、素早く右掌を突き出す。これだけだ。
しかし、彼ら中国人はこれを死ぬほど繰り返す。
完全に使いこなせるまでずっとだ。
『一番最初に教えてくれましたよね‥‥‥‥‥‥豪さん』
雨は打ち込んだ余韻に浸りながら心の中でつぶやいた。
ビリビリビリビリッ!!
カマキリ型の体内に謎のエネルギーが響き渡っていた。
「ギ‥‥‥ギィッ‥‥‥ギィィィッッ!」
カマキリ型はもだえ苦しんでいた。
?グッ‥‥‥何だこりゃ‥‥‥‥‥?
ディーンの
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